2023/02/01

SRIXON製品情報

《革新のコアが生み出す、ソフトなフィーリングとかつてない〝初速感〟》NEW『スリクソン Z-STARシリーズ』デビュー!!

『スリクソンZ-STARシリーズ』の3つのモデルの中でも、最大の飛距離を実現するために開発された『Z-STAR XV』(以下、XV)。初代から数えて8代目となるNEW「XV」が、まずめざしたことは何だったのか。
「飛んで止まる、というボールとしての基本性能を正常進化させるのは当然として、ショートゲームでボールがフェースに乗る、そして、その分スピンもかかるようにするにはどうすればよいかを最初に考えました。3つのモデルは、求められる性能はそれぞれ違うものの、ショートゲームでのソフトなフィーリングが共通する開発テーマでした」(井上)
 基本性能を上げるには、ドライバーではスピン量を抑え、アイアンとアプローチでは逆にスピンがかかるようにする必要がある。それに加え、ショートゲームでのソフトなフィーリングを実現するには、どうすればよいのか。
 そのために井上たち開発陣が着目したのがコアの構造だった。ゴルフボールにおいてもっとも体積を占めるのがコアであり、フィーリングだけでなく、当然飛距離などの性能にも大きく関わる。その硬度分布を、開発陣は〝ゼロベース〟で見直すことにしたのだ。
 基本性能を上げ、ショートゲームでのフィーリングをソフトにするために最適な硬度分布。それを見つけるために、井上たちは先代モデルで採用していた二層コアの内と外それぞれの層をさまざまな硬度で作り、その組み合わせを試した。
「硬度分布の組み合わせは何十通りにもなりましたが、その数だけ実物のコアを作りました。作りやすさとか、量産できるかどうかは一切度外視して。その結果、目標にしていた硬度分布のコアができたのです」(井上)
 そして、この時、開発陣はあることを思いつく。
「それまで先代と同じ二層コアをベースにしていたのですが、同じ硬度分布を単層でできたら面白いんじゃないかと。それで実際に単層にしてみたところ、ドライバーの打感が思っていた以上によかったのです」(井上)
 ドライバーでの打感が良好だったことは、ショートゲームでの打感も向上していることを予感させた。そこで、硬度分布がほぼ同じ二層コアと単層コアのボールを試作し、契約プロたちにアプローチショットをしてもらった。すると、ほとんどのプロが「(単層コアのほうが)明らかにやわらかい」と口を揃えたのだ。
 その理由について、井上はこう話す。
「硬度分布を同じものにした場合、二層と単層とで、性能にそれほど大きな差はありません。ただ、二層の場合、内と外では硬度差が大きいため、変形する際にズレが生じます。そこでエネルギーをロスしてしまう。それに対し、単層は変形がスムーズに起こるので、それがアプローチでのフィーリングのよさとなって現れているのではないかという結論に達しました」
 とはいえ、一つの塊であるコアの中で硬度分布を変える、それも異なる硬度の層をいくつも作るのが難しいことは容易に想像できる。
「おっしゃるように、どこで硬度を変えるか、硬度の傾きをどうするかについては、開発の中でもいちばん苦心しました(苦笑)。それを、コアの添加剤を変えてみたり、成型する条件を変えたりして何度も試作を繰り返した結果、理想の硬度分布を実現することができました」(井上)

井上英高(いのうえ・ひでたか)
住友ゴム工業㈱スポーツ事業本部 商品開発部 ゴルフボール技術グループ 課長代理

2011年入社。ゼクシオなどのディスタンス系ボールの開発、研究部門でのゴルフボールの材料研究を経て、2016年より「スリクソン Z-STARシリーズ」の開発を手がける。

 長年「XV」を愛用している松山 英樹プロも、ショートゲームで単層コアがもたらすフィーリングのよさとスピンの増加を感じとった。松山プロの場合、ピンまで15ヤード程度のアプローチというシチュエーションでテストを行ったという。
 中でも松山プロが高く評価したのが、スピン性能の安定性だった。
「松山プロであっても多少スピンにバラつきが出るものなのですが、プロ本人が『ボールが、バラつきを抑えてくれている感じがする』とおっしゃっていました。その結果、ライによってはどうしても出てしまう〝ポッコン〟、これは想定より高く飛び出してしまう球のことですが、NEW『XV』ではそれが減ってくれると」(井上)
 さらに、単層コアは、「XV」不変の開発テーマであるドライバーの飛距離アップももたらした。すでに述べたように、井上たち開発陣がコアの硬度分布を徹底的に研究したのは、基本性能をアップさせるためでもあった。
「目標としていた硬度分布のコアを使って試作したボールの性能を評価してみると、ドライバーのボール初速が先代モデルより上がったことがわかりました。しかも、スピン量はほとんど変わらない〝いいとこどり〟のボールになったのです」(井上)
 なおかつ、アイアンのスピン量も増える傾向が見えたことから、開発陣の中で「単層コアでいくしかない」という空気が生まれた。いくつものプラス効果をもたらす単層コアの8代目「XV」への搭載はこうして決まった。
 再び話を「XV」のショートゲームでのフィーリング向上に戻そう。
 単層コアの採用のほかにも、井上たち開発陣はショートゲームの打感向上のための方法を探った。そして、カバーを覆うペイントの改良に着手する。
 ペイントの材料に関しては、これまでのモデルでも硬さを変えたり、添加剤を加えたりしてフィーリングの向上を図ってきたという。
「ただ、今回は抜本的にペイントの中身そのものを変えました。金属にたとえるなら、アルミを銅に変えるぐらい、構造体を思いっきり変えたイメージです。歴代のZ-STARシリーズの中でも、ここまで大きくペイントを変えたことはなかったはずです」(井上)
 新たに開発されたペイントを使ったボールのテストでは、プロたちから「適度にフェースに乗り、適度に弾いてくれる」と好感触を得た。
「先代のペイントがややウェッティな感じだったのに対し、今回のペイントは少し乾いたものにしています。それが、やわらかくなったコアとマッチして、『フェースにきちんと乗りつつ、〝今、離れてほしい〟というタイミングでポンと弾く』というプロの評価につながったのだと思います。ペイントを大きく変えるのはチャレンジングでしたが、ベストなものに仕上がりました」(井上)
 高摩擦「Spin Skin+」コーティングと名づけられた新しいペイントは、単層コアとともに最終調整を経てNEW「XV」に搭載。ショートゲームでのフィーリング向上に貢献している。

 ソフトな打感とスピンコントロール性能が特長の『スリクソンZ-STAR』(以下、STAR)。それに加え、8代目のNEW「STAR」では、「飛ばすことが至上命題でした」と井上は言い、その理由をこう話す。
「XVとくらべると、やはり『STAR』は距離で劣るというイメージを持たれる方が多いからです。そのため私は〝STARも飛ぶよね〟と、みんなに言ってもらえるボールにしたいと考えました。とはいえ、『STAR』ならではのフィーリングはやはり大事にしなくてはなりません。そこから逸脱せずに〝弾き感〟を出す、すなわち初速アップをどう実現するか。その意味では、NEW『STAR』の開発が、今回の3つのモデルの中でもいちばん大変だったかもしれません」
 井上によれば、「STAR」を愛用するゴルファーは、ショートゲームはもちろん、ドライバーでもやわらかいフィーリングを求める。弾き感を追い求めるあまりフェースに乗る感触がなくなると、コントロールしにくくなってユーザーが離れてしまう恐れがあった。
 そのためNEW「STAR」の開発に当たっては、「STAR」ならではのやわらかい打感を保ちつつ、先代にくらべ、弾き感も、実際の初速もアップさせることをめざした。
 その実現に役立ったのが、NEW「XV」で見つけたコアの最適硬度分布だ。
「STAR」はもともと単層コア。「XV」とは求められる性能が違うため、アプローチ方法も異なるものの、硬度分布は「XV」に近いものにしようと井上たちは考えた。
「ドライバーのスピンを減らすにはここ、アイアンでスピンをかけるにはここ、というように、コアのどの部分が性能に効いているかは、当然ショットによって違うのではないかと。その考えのもと、『STAR』の硬度分布を決めていきました」(井上)
 その結果、コア自体は先代にくらべわずかに硬くなった。それに合わせて、中間層もチューニングを行ったという。
「ただ、コアは静的な物性としては硬くなったものの、フィーリングは硬くならないようにしています。ボール全体としては、〝フィーリングはやわらかいけれど、弾き感もある〟というイメージです」(井上)
 そして開発陣がめざした通り、弾き感が出ただけでなく、実際にドライバーのボール初速は先代よりアップした。井上いわく、3つのモデルの中で、初速の伸び率では間違いなくNEW「STAR」が一番だという。さらに、NEW「XV」と同様、アイアンとアプローチのスピンも増加した。
 では、今回の3モデルに共通する開発テーマであり、「STAR」の生命線と言えるショートゲームでのフィーリングはどうなのか。
「長く『STAR』を使っている稲森 佑貴プロに、アプローチショットのテストをお願いした時の第一声が『前のモデルよりフェースに乗る感じがする』というものでした。正直に言うと、私自身は〝弾く感じがする〟と言われるのではなかと心配していました。今回、ペイントは3モデルとも同じものを採用しているので、その効果もあるとは思いますが、プロから『寄せやすいイメージがある』と言ってもらえたので安心しました」(井上)
 こうしてNEW「STAR」は、ソフトなフィーリングとスピンコントロール性能という長所をさらに伸ばしつつ、飛距離アップという至上命題を達成したのだった。

 先代の7代目「Z-STARシリーズ」と同時に数量限定で発売された『Z-STAR ♦︎(ダイヤモンド)』(以下、STAR♦︎)。硬く引き締まった高速グリーンに対し、ロング~ミドルアイアンでスピンをかけて止めたいというPGAツアーのプロからの要望に応えるために開発された同モデルは、日本の男女ツアープロにも高く評価された。
 それに加え、「XVの飛距離は魅力だけど、アプローチはSTARがいい」「ショートゲームならSTAR。でも、XVの弾き感もいい」という「Z-STARシリーズ」の既存ユーザーの興味をひき、アマチュアにも多くのファンを獲得したことから、今回から正式にラインアップに加わり、通常販売されることになった。
 先述したように、ロング~ミドルアイアンでのスピンの多さが「STAR♦︎」の特長。2代目となるNEWモデルの開発では、その点を3つのモデルの中でも最大限に伸ばしつつ、さらなる進化を狙った。
 そのために搭載されたのが、「STAR」と同様のコンセプトで開発したコアだ。
「ただ、STARと違い、NEW『STAR♦︎』のコアは初代とは硬さを変えていません。というのも、『STAR♦︎』を硬くしてしまうと、XVとのフィーリングの差がなくなってしまうからです。打感がしっかりしているけれど、XVよりはもっちりしているのが『STAR♦︎』のよさ。そのため、『STAR♦︎』のコアはSTARとは硬度分布だけ設計を変えています」(井上)
 その結果、先代とくらべ、アイアンのスピンが増加。ショートゲームでもスピンが増え、フィーリングに関しても、試打したプロたちからは「フェースに食いつくのを感じる」と高評価を得た。
 ただ、井上によれば、先代とくらべてもっと大きく変わった点があるという。
「ドライバーの〝初速感〟です。実際に初速も上がっています。STARで採用した、初速を上げるための技術を使っているからだと思いますが、試打した感想として、『今までより初速が出ているように感じる』『弾きがよくて飛んでいる気がする』と答えたプロは多かったですね」(井上)
 NEW「STAR♦︎」の初速アップを実感した一人が植竹 勇太プロ。そして、アイアンでのスピンの多さに惹かれて先代モデルから愛用している植竹プロが、NEW「STAR♦︎」を高く評価している点はほかにもあるという。それがパターのフィーリングだ。
「植竹プロが先代モデルで唯一気になっていたのが、パターの打感がやわらかすぎることだったそうです。それが、NEW『STAR♦︎』では、中間層をわずかに硬くしたことも影響しているのか、ちょうどよい打感になったと。パットでは、新しいペイントも効いているのだと思います」(井上)
 ドライバーの初速と飛距離が伸びた上、アイアンとショートゲームのスピンが増えたNEW「STAR♦︎」。アマチュアゴルファーのあいだで、さらにファンを増やすに違いない。

 こうして完成したNEW「Z-STARシリーズ」の3つのモデル。先述したように、すべてのモデルにおいて基本性能は進化を遂げたが、中でも井上が強調するのが、ドライバーの初速アップだ。
「『XV』は飛距離、『STAR』はフィーリングとアプローチでのスピン、『STAR♦︎』はアイアンのスピンと、それぞれ重視していることは違うものの、ドライバーの初速をいかに上げるかというのが3つのモデルに共通するテーマでした。そして、〝初速感〟というのが、今回のキーワードだと思います。どのモデルを選んでも、ドライバーの初速の伸びを感じてもらえると思います」
 ゼロベースで見直し、大幅な変更を加えた新開発のコアの働きにより、ショートゲームでのソフトなフィーリングに加え、ドライバーでのかつてない初速感を実現したNEW『スリクソン Z-STAR シリーズ』。ひと足先に発売された、スリクソン史上最速のボール初速を生み出す『スリクソン ZX MkⅡ ドライバー』とあわせ、ぜひその初速感を味わってみてほしい。





アライメント機能を、白&黄色のツートンカラーという究極の形で搭載。それに加え、パットやアプローチでは、インパクト後のボールの回転がよくわかる『スリクソン Z-STAR XV & Z-STAR DIVIDE(ディバイド)』。数量限定で販売した従来モデルがラウンド用ボールとしても好評だったことから、特に人気の高かったイエロー/ホワイトカラーを定番商品化。もちろん競技でも使用可能。

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