2023/07/18

SRIXONCleveland Golfツアー情報レポート

《 祝・日本アマ 初優勝!! 中野 麟太朗さん スペシャルインタビュー 》 次はプロトーナメントで優勝をめざす。アマとしてマスターズに出るのも夢

DGW:まずは「日本アマチュアゴルフ選手権競技」(以下、日本アマ)での優勝、おめでとうございました!
中野 麟太朗さん(以下、中野):ありがとうございます!

DGW:まず、あの試合のことからお聞きしたいのですが、優勝後のインタビューで「この日のために1年間努力してきた」というお話が何度か出てきました。去年の大会ではかなり悔しい思いをしたのでしょうか?
中野:はい。途中、優勝を狙えなくもない順位にいたので、最低でもシード権は獲っておきたいなと思っていたのですが、結局はどんどんスコアを落とすことになってしまって……。去年は大学1年生でしたが、それまで順調にステップアップして、調子も上げていたのに、「まだ自分は16位止まりなのか」と。まだまだ自分はやらないといけないんだなと強く思いました。

DGW:それから、今年は優勝することを意識してきたのですか?
中野:はい。去年優勝した岡田 晃平さん(※東北福祉大4年。ダンロップモニター)の一昨年の順位が16位タイだったのを見て、「そこから一気に1位になれるんだな」と。自分が同じ立場にいるのを知って、「来年は(優勝も)あるかもしれないな」と思いました。僕はそういうデータがすごく気になる性格で、「そういうことがあるなら、自分にもできるだろう」と思っていました。

DGW:最終ラウンドは2位に1打差をつけ単独トップで迎えましたが、特にプレッシャーは感じなかったのでしょうか?
中野:そうですね。同じ組の杉浦悠太さんは日本アマチュアランキング上位で、現状日本でいちばん上手い人と回るのだから、絶対追いつかれるだろうなと思っていましたから。それに、自分は追う立場の方が好きなので、リードされた方がいいぐらいに思っていました。もし首位を守れたら守れたで自分の勝ちですし、追う立場だったら自分の有利な立場になる。どちらにしても自分が有利じゃんと思っていました。

DGW:そして、1打リードで迎えた正規の18番ホールのティショットでは、「自分らしい勝ち方にこだわってドライバーを握った」と言っていましたが……。
中野:はい。そこだけ聞くと、なんだか頭悪いのかなと思っちゃうんですけど(笑)。まあでも、できる自信があったからやったわけだし、結果がよくなかっただけです(※ティショットを左の林に入れてボギー)。だから、すぐに切り替えができたんだと思います。むやみにドライバー握っていたら、ずっとミスを引きずっていたでしょうし、そんなマインドじゃプレーオフも絶対勝てなかったと思うので。そこは自分らしいなと思います。

DGW:そのプレーオフは鵜瀬 璃久さん(※帝京大4年。ダンロップモニター)と3ホールを戦いました。
中野:鵜瀬さんとは3日目に同じ組で回っていたので、どんなゴルフをするかは大体わかっていました。それに、最終日に5アンダーで回ったと聞いて、調子もいいだろうし、流れ的には鵜瀬さんの方に傾いているから、絶対にボギーは打たないだろうなと思っていました。プレーオフでは、案の定鵜瀬さんはティショットはブレないし、パットも1ホール目ではドキドキするぐらいナイスパットをしてました。2ホール目は僕の方がチャンスだったのですが、2mぐらいのバーディパットをかなりオーバーしてしまって(苦笑)。「うわぁ、やばい。ここで終わりたくないな」と思って、何とかパーパットを決めて分けることができました。実はプレーオフで3ホール目まで行けたのは今回が初めてでした。まあ、2ホール戦うのも初めてだったんですけど(笑)。

DGW:それまでプレーオフには苦い思い出しかなかったそうですね。
中野:そうなんです(笑)。去年、2回やって両方とも負けました。一つはABEMAツアー「石川遼 everyone PROJECT Challenge」で、最終日にトップタイでホールアウトしました。プレーオフの相手はプロの方でしたが、1ホール目で僕がボギーを打ってあっさり終わってしまって(苦笑)。そして、2回目は「日本学生ゴルフ王座決定戦」(※マッチプレー方式)の決勝でした。正確にはプレーオフではなくて、18ホールを終えてイーブンだったので、エクストラホールに進んだのですが、19ホール目であっさり負けてしまって。「自分はプレーオフに弱いのかな」とすごく悩みました。

DGW:ただ、今回は3ホール目の第2打がピンそば約50㎝につけるスーパーショットになって勝利を決定づけました。そのバーディパットを決めた瞬間、絶叫したそうですね。
中野:それが自分では全然覚えていないんです(苦笑)。インタビューで「絶叫していましたね」と言われて、最初は何のことか分からなくて。あとからYouTubeを見た時も、最初はキャディの子が叫んでいるのかと思ったんです。でも、よく見たら「あ、俺だ」みたいな(笑)。

DGW:(笑)。ところで今年は予選会からの出場だったそうですね。そこから日本一というのはスゴい。
中野:いえ、全然スゴくないです。むしろ「何やってるんだ」って感じですね(苦笑)。「関東アマ」で上位に入れば本選に出場できたのですが、その関東アマで落ちてしまって。しかも決勝ではなくて、もう一つ下のブロックで落ちてしまったんです。正直余裕だと思っていたのですが、直後のプロの試合のことが気になったり、競技が大雨で中断したりして、集中が切れてしまいました。まぁ、言い訳なんですけど(苦笑)。それですごく後悔したのですが、一発勝負の予選会があるのは知っていたので、そこに向けて死ぬ気でやりました。

DGW:大学2年生で日本アマに勝てたことについては?
中野:もう最高です。日本アマは早く勝てれば早いほどいいと思っていました。早く勝てば、プロの試合にたくさん推薦していただけるはずですから。それに、ナショナルチームにも、入れるなら早い方がいいと思っていて、これで入れるチャンスも大きくなりました。勝ったことで学生のうちにいろいろな経験ができると思うし、これからどんな経験ができるのかすごく楽しみです。

DGW:ご自身のことについてお聞きしたいのですが、ゴルフは8歳で始めたそうですね。
中野:はい。父がゴルフをやっていたので、一緒に練習場に連れていってもらいました。ただ、そのまま続けるつもりはなかったんです。でも、「試合がある」と父に言われて、けっこう早い時期から競技に出場させられました(苦笑)。遊びのつもりでやっていたので、出始めた当初は他の親御さんから「試合会場に連れてきちゃ駄目ですよ」と怒られました。それくらいレベルが低かったんです(苦笑)。カートの前を走って、キャッキャッとはしゃいでいたのを覚えています(笑)。

DGW:ご本人としては競技に出ること自体はイヤではなかったのですか?
中野:はい。遊びのイメージだったので楽しかったです。でも、ちょっとずつ上達して、友だちができるようになると、やっぱり競い合いますよね? 僕は下手だからたいてい負けるのですが、だんだん「負けたくねぇ」と思うようになって。そこからレッスンにも行くようになって、レッスン先でもまた友だちが増えていって、という感じでした。

DGW:その後、ゴルフの強豪校である明治大学付属中野中学・高校に進学されましたが、中学入学の頃にはもうプロゴルファーになろうと思っていたのでしょうか?
中野:いえ、プロを意識したのは高2になってからです。プロになるとしても未来が見えないというか、そこまで上手くなかったので。全国大会に行ける実力はあったものの、ただ行けるだけだし、と思っていて、「上位に入るにはどうやったらいいんだろう?」といつも考えていました。

DGW:それが高校3年生になると、「関東アマ」と「全国高校ゴルフ選手権」で優勝しました。
中野:はい。いきなりバーンとレベルが上がりました。きっかけは身体とスイングの2つです。身体に関しては高2の11 月ぐらいから、トレーナーさんの個人指導を受けながらトレーニングしました。身長は今と同じくらい(184.5cm)あったのですが、体重は66㎏しかなくて本当に〝もやし〟でした(笑)。だから全然飛距離も出なかったのですが、トレーニングして、食べ盛りなのでたくさん食べて。それで高3の夏には82㎏になっていました。

DGW:1年足らずで16㎏増えたのはスゴいですね。もうひとつのきっかけとなったスイングというのは?
中野:高1ぐらいから、どんなスイングにしようかなと迷走していて、変則的なスイングをしていたのですが、どうもショットが安定しなくて。そんな時に出会ったのがプロコーチの坂詰和久さんでした。紹介されて初めて会った時に、身体がきちんと動くのかテストしてくれたのですが、その時に、左手の〝撓屈〟(※手首の関節を親指方向に曲げること)が上手くできないことがわかったんです。それまで、できないものを頑張ってやろうとしていたことを、坂詰さんから「しなくてもいいよ。できないんだから」と言われて、「え? 手首をコックしなくていいの?」と衝撃を受けました。それに、坂詰さんの理論を聞いてみたら、どんどん自分にハマっていって。「この人の理論が俺のスイングに一番合っている」と思ったし、身体とスイングが合致していきなり飛距離も伸びました。

DGW:それでドライバーで300ヤード飛ぶようになったんですね。
中野:はい。それまでは270ヤードぐらいが限界で、どうやってもそれ以上飛ぶ気がしなかったのですが、高3になってランも含めて300ヤードに届くようになりました。「こんなに一気に伸びちゃうんだ!」と驚いたし、それで成績も出たので、「これでようやくプロにいけるかもしれない」と思いました。

DGW:ところで、ダンロップのボールやクラブはいつから使っているのですか?
中野:ボールは小5からずっとスリクソンを使っています。最初に使ったスリクソンのクラブはユーティリティで、中学に入ってから割引していただいて買いました(笑)。その後、たしか中2でアイアンを、中3でドライバーを使い始めて。モニターにしていただいたのは、たしか中3ですね。高校に入ってからウエッジをクリーブランドに替えて、高2ではもうクラブは全部ダンロップでした。

DGW:ボールはずっと『Z-STAR XV』(以下、XV)ですか?
中野:いえ、最初は「Z-STAR」を使っていました。僕は元々やわらかくてスピンがかかるボールが好きだったので「Z-STAR」を選んだのですが、ドライバーで吹け上がってしまうことがあったんです。それで「XV」を打たせてもらったら、「こんなに違うのか!」というくらい飛びました。替えてみて、当初はパットの打感にちょっと戸惑ったのですが、練習していたら「XV」の方が打ちやすくなって。それで高2の冬からはずっと「XV」です。

DGW:「XV」の魅力はやはり飛距離ですか?
中野:はい。やっぱり「XV」は飛びます。それと、アプローチでの球離れですね。正直ボールの性能はよく分かっていないのですが(笑)、アプローでの球離れだけはすごく気になるんんです。その球離れの感触が自分にいちばんマッチしているのが「XV」で、飛距離とあわせてすごくいいボールだと思います。

DGW:現在愛用している『スリクソン ZX7 Mk II ドライバー』についてはどうですか?
中野:日本アマでも使いましたが〝飛んで曲がらない〟と思います。曲がらないのは、多少僕の腕も関係しているかもしれませんが(笑)、やっぱり飛距離が出るし、曲がらないです。顔も好きだし、打感もいい。試しに友だちの他のクラブを打ってみることもありますが、自分にはスリクソンが合っているなってつくづく思います。

DGW:今後についですが、当然プロをめざすわけですよね。
中野:はい。今回の優勝でさらにプロに近づいたと思いますし、出られるプロの試合には積極的に出て、そこで優勝して、そのままプロに転向したいという気持ちです。

DGW:その時には、大学に通いながらプロとして活動するということですか?
中野:そうです。プロになれば部活は続けられませんが、大学はせっかく頑張って受験して入ったので、ちゃんと卒業したいと思っています。それに、高校時代に、いろいろな大学のスポーツ科学部について自分なりに調べた結果、早稲田が最先端で、将来自分がプロになったときにいちばん役立つと思って、行くならそこだと決めたので。

DGW:一方で、アマチュアとしてプレーし続ければ、たとえばマスターズに出場するチャンスもありますよね。アマチュアとして海外の競技に出たい気持ちは?
中野:もちろんあります。世界アマランキングが上がればそういう機会が増えますし、松山英樹さんのように、「アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権」で優勝してマスターズに出てみたいです。メジャーの中では日本人アマチュアが出られる可能性がいちばん高い大会ですし、過去に日本アマに勝った人たちが、そのルートでマスターズに出ています。その資格のようなものが自分にはあるはずなので、マスターズに出るのも不可能ではないと思っています。
DGW:今日はありがとうございました。今後のご活躍に期待しています!

中野 麟太朗(なかの・りんたろう)
2003年東京都生まれ。8歳でゴルフを始め、明治大学付属中野高校3年生だった2021年「関東アマチュアゴルフ選手権」「全国高等学校ゴルフ選手権(個人の部)」で優勝。卒業後、早稲田大学に進学し、1年時の「文部科学大臣杯争奪日本学生ゴルフ王座決定戦」で2位に。今年6月の「第107回 日本アマチュアゴルフ選手権競技」で、プレーオフの末に早稲田大学ゴルフ部初の優勝を成し遂げた。身長184.5cm、体重90kg。血液型O。早稲田大学スポーツ科学部在学中。

《中野 麟太朗選手の使用ギア》
■ ボール:スリクソン Z-STAR XV
■ ドライバー:スリクソン ZX7 Mk II(9.5°)
■ フェアウェイウッド:スリクソン ZX Mk II(#3)
■ ユーティリティアイアン:スリクソン ZX Mk II(#3)
■ アイアン:スリクソン ZX7 Mk II(#4〜PW)
■ ウエッジ:クリーブランド RTX 6 ZIPCORE(50°、54°、58°)
■ ヘッドウェア:スリクソン バイザー SMH3130X
■ グローブ:スリクソン GGG-S028
■ シューズ:1111A180 ゲルエース プロ 5 ボア

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