2023/12/22

XXIO製品情報

《 ゼクシオ 13/エックス/13 レディス 誕生への軌跡VOL.2 》 飛ばしのキーワードは〝より速く、より高く〟 ~フェアウェイウッド・ハイブリッド・アイアン~

【VOL.1】革新のフェースと新〝飛びの翼〟。2つの進化で高く、大きく飛ばすドライバー

【VOL.3】レディス=たんなるメンズの軽量モデルじゃない。女性専用設計で、大きく爽快に飛ばす

 今作の『ゼクシオ13』と『ゼクシオ エックス』ドライバーには、フェースのセンターだけでなく、トウ寄りやヒール寄りなどのオフセンターショットでも初速性能を最大化させる"BiFLEX FACE"(バイフレックスフェース、以下BFF)という新技術を搭載し、大きな飛びを生み出している。ゼクシオの新しいフェアウェイウッドとハイブリッドもまた、ドライバーと同様にBFFを搭載している。
「それに加えて、従来の〝CANNON SOLE〟(キャノンソール)を改良したNew CANNON SOLE(以下、NCS)を搭載しました。いわばこれがフェアウェイウッドとハイブリッドの二大機能です。ただし、それ以外にも、歴代モデルで蓄積してきたものをベースにしているのが、13代目のフェアウェイウッドとハイブリッドです」
 と商品企画を担当した佐藤 弘樹は語る。
 CANNON SOLEは、その名前の通り、ヘッド内部に、ソールからせり上がるように大砲型の厚肉部分を設けることでソールのフェース付近の薄肉部分を広くしてボディもたわませるという、前作でも採用された技術だ。それを進化させたNCSとは、どんなものなのか。
「そもそもフェアウェイウッドとハイブリッドは直打ちすることが多いクラブなので、打点になるフェース下部の初速性能を上げながら、さらなる低重心化をめざしました。もちろん、前作でも重心を下げる工夫はしていて、重心を下げるのに、単にソールを厚くするだけではボディがたわみにくくなるため、フェース近くのソールをくり抜いたのがCANNON SOLE でした。それをNCSでは、センター部分はそのままに、実打点から遠いトウ寄りとヒール寄りの下側のスペースを肉で埋めました。その結果、これまでに以上に重心を下げることができました」
 そう話すのは、開発担当でNCSの開発も手掛けた小野 貴士。フェース下部の反発性能アップという本来の効果に加え、さらなる低重心化を実現したのがNCSなのだ。そこに、トウ寄りやヒール寄りでヒットしても高初速を生み出すBFFが加わり、13、エックスのフェアウェイウッド、ハイブリッドともに、フェース下部の高初速エリア拡大に成功。鋭く飛び出し、高く打ち出すことで、飛距離アップを果たしつつ、狙った通りのボールを放つことができる。

佐藤 弘樹(さとう・ひろき)ゴルフビジネス部 ゴルフクラブビジネスグループ
2008年入社。海外物流やゴルフグローブなどの販売企画などを経て、2018年よりゼクシオのゴルフクラブの商品企画を担当。自身が手がけたゼクシオのモデルとしては今回が3作目となる。

小野 貴士(おの・たかし)商品開発部 クラブ技術グループ
2018年入社。市島工場でボールの生産技術を担当したのち、2022年1月よりゴルフクラブの開発を手がける。13代目ゼクシオではヘッド開発を担当。

 ボールの上がりやすさと下打ちでの高初速という、フェアウェイウッドとハイブリッドにとっての理想を実現した新しいゼクシオ。
 ただ、そこに辿りつくまでにはやはり困難が伴った。
「まずCADで3Dの設計図を書いて、それを基にサンプルを作るのですが、そうしてできた試作品と設計図には、どうしてもギャップができてしまうのです。試作しても、狙いや意図したことが達成できないと、〝なぜできないのか?〟と突き詰めることになります。その原因はたくさんあるので、それを探すのに苦心しました」(小野)
 理論としては素晴らしくても、それを実際に形にするのは容易ではないというわけだ。しかも、ゼクシオの場合、モデルチェンジのたびに新たな構造を採用するため、それに伴う課題が持ち上がるという。
「そこで、〝なりたい姿〟に少しずつ近づけていくために、ヘッドの生産現場と本当に密にやりとりしながら、修正や改良を重ねました。その結果、理想形に近いものができたと思います」(小野)
 また、ドライバーと同様、13のフェアウェイウッドとハイブリッドでも、フェースの見え方を左右するマスキング(フェースとクラウンの境目)については細心の注意を払った。
「ロフトが寝てくると、それに合わせてマスキングのラインも変える必要があります。たとえば、ネック付近はマスキングによっては構えにくくなるため、そういう違和感は取り除かないといけません。そのため、特にハイブリッドはかなり多くの人に見てもらって構えやすさについての意見を聞き、今回のマスキングに決めました」(小野)
 さらに、見え方という点で言うと、エックスのフェアウェイウッドとハイブリッドは前作から大きく変わった。ブラックとシルバーのツートーンだったクラウンをワントーンに変更したのだ。その理由について、デザインを担当した後藤 夏穂は次のように説明する。
「前作では、初めて搭載したActivWingをキーポイントとして目立たせようという狙いから、ステップクラウンとActivWingをつなげて〝レ〟の字状にしてシルバーにしました。ただ、ユーザーの中には、トラディショナルなワントーンを好む方もいて、〝ツートーンだと気になる〟という声もありました。そのため、今回、構えやすさについて改めてヒヤリングした結果、〝ワントーンの方がすっきりしていて、より構えやすい〟という声が多く、今作ではワントーンでデザインしました。」
 こうして、フェースも含めブラックで統一されたエックス。デザインコンセプトであるスタイリッシュで精悍な〝顔〟は、ターゲットとする〝しっかり振って強い弾道で飛ばしたい〟ゴルファーの好みにマッチするはずだ。

後藤 夏穂(ごとう・なつほ)商品開発部 デザイン企画グループ
2022年入社。前職のスポーツメーカーでは研究、開発などを担当。現在は、ゼクシオのクラブ、ボール全般のデザインを手がける。

「アイアンでも、飛距離はもちろん大事ですが、特にキャリー飛距離を第一に考えるのは、レディスも含めたゼクシオのすべてのモデルに共通したコンセプトです。飛ばすためには、打点部分のボール初速を上げたいのですが、フェアウェイウッドと同じで、アイアンも地面にあるボールを直接で打つことが多いので、当然打点は下に寄ります。なので、より低重心にすることで、フェースの最も反発が高いところをできるだけ地面近くにもっていき、高初速エリアを打点位置に近づけつつ、球も上がりやすくする。それに加え、ドライバーがそうであるように、高初速エリア自体も広げるというのが、新しいゼクシオのアイアンで追求した性能です」
 最新のアイアンのコンセプトについて、開発を担当した林 和広はそう話す。そして、林によれば、それを実現するために「ゼクシオ 13」と「ゼクシオ エックス」とでは、それぞれ異なる技術を開発、搭載したという。
 では、今回新たに開発したのはどんな技術なのか。まずは13について聞いてみよう。
「トウ側とヒール側の高初速エリアを広げるために、ボディの周辺に空間を作りました。前作で下部に入れていたL字型の溝に加え、新たにトウ側とヒール側にも溝を設けたのです。たしかに、反発を上げるには実打点に近い部分に溝を掘るのが効果的なのですが、高初速エリアを広げるような進化をめざすにあたり、トウ&ヒール方向への打点のバラつきにも着目したのが、今回のポイントです」(林)
 溝を設けたことで、よりフェースがたわみやすくなり、実際に高初速エリアはトウ&ヒール方向に広がったのだが、これにはもうひとつメリットがあった。溝部分の肉をくり抜くことで捻出した余剰重量をウェイトに回し10g程度重くできたことで、さらなる低重心化も達成できたのだ。
 そんな13アイアンから、実際にどんなショットが生まれるのか。それについて佐藤はこう話す。
「吉本ここねプロは、これまでゼクシオ 11や12のアイアンを使ってきたのですが、初めて13を打った時に、〝弾道を追う目線が一段上がったような感覚がある〝と話していました。それに、〝(前作とくらべて)弾きがいいし、飛び出しの感触も違う〟と。ずっとゼクシオを使っている人だからこそ、弾道の変化をより分かっていただけたのだと感じました」
 実打テストのデータでも、13アイアンは前作にくらべボール初速と打出し角が上昇。弾道も高くなることで飛距離アップに成功している。

林 和広(はやし・かずひろ)商品開発部 クラブ技術グループ
2011年入社。以来、ゼクシオ、スリクソン、クリーブランドのゴルフクラブの開発を担当。中国のクラブヘッド工場駐在を挟み2022年より現職。13代目ゼクシオではヘッド開発を担当。

 一方、NEWエックスのアイアン。開発チームに対し、企画チームからは、「アスリート志向のゴルファーも好む、シンプルでシャープな形状。でも、打ってみるとやさしい、ゼクシオらしいアイアン」という要望があった。
「その宿題の答えとして、先ほどお話した、ゼクシオである以上、キャリー飛距離は最優先というコンセプトに加え、やはり低重心化と高初速エリア拡大をめざそうということになりました」(林)
 エックスでさらなる低重心化を実現するために、開発陣はある決断をする。ボディを、従来の軟鉄鍛造からステンレス鋳造へと変更したのだ。
「鍛造だと、トップブレードの剛性が必要であるために、どうしてもトップソール方向が分厚くなることから、低重心が達成しにくくなってしまいます。それに対し、鋳造ではトップブレード内部の肉を抜くことができるので余剰重量が出ます。その重量を、13よりさらに大きなウェイトにしてトウ側に埋め込むことで、低重心を強力に推進しました。それが前作との大きな違いです」
 と林は言う。製法の変更により設計自由度が高まったことで、ウェイトは7番アイアンで50g前後というかなりの重さに。その結果、重心は約1mm下がった。アイアンヘッドの1㎜というのが、かなり大きな差であることは容易に想像できるだろう。実打テストでも、多くのゴルファーがその効果を感じ取ったようだ。
「〝飛び姿〟がかなり変わって、〝とにかく球が上がる〟と。重心を1㎜下げたことで明らかに弾道に差が出るので、みなさん好印象をもってくださいました。球が上がれば飛んでいる気になるし、実際にデータを見ても、ボール初速がしっかり出てキャリー飛距離もかなり伸びています」(林)
 また、ターゲットとするゴルファーにとってはチェックポイントになる形状にも変更を加えた。
「〝シャープに見せたい〟という要望を受け、開発チームではトップブレードを直線的にし、構えてアップライトに見えるようアドレス形状を見直しました」(林)
「アドレス形状の印象に合わせてバックフェースも全体的にシャープ感を出すために、仕上げや見え方に工夫を凝らしました」(後藤)
 こうして製法、外観ともに工夫をこらした13とエックスという2つの個性的なアイアンが誕生した。
「アイアンは、グリーンに止めないといけないので、やはり上がりやすさが大事です。飛び系アイアンが流行したことで、逆に上がりやすさや正確性に対するニーズが顕在化してきたように思うのですが、ゼクシオ自体、そもそもすごく飛ぶ上に上がりやすいという評価をいただいてきたモデル。低重心化はずっとテーマにしてきて、今回さらに重心を実打点に近づけたことで、13もエックスもやさしく、より遠くに飛ばせるアイアンになったと思います」(佐藤)
 飛距離と弾道の高さは共通しているが、形状やデザイン、打感は異なる13とエックス。ドライバーと同様、ぜひ実際に構えて、打ってみて、自分に合うモデルを選んでほしい。

『ゼクシオ 13 フェアウェイウッド』『同ハイブリッド』『同アイアン』の製品情報はこちらをご覧ください。

『ゼクシオ エックス フェアウェイウッド』『同ハイブリッド』『同アイアン』の製品情報はこちらをご覧ください。