2025/01/15

SRIXON製品情報

《 NEW『スリクソン Z-STARシリーズ』 誕生STORY VOL.1 》新たなユーザー獲得のために進化しつつ、既存のファンを魅了する深化も追求

 プロや上級者をはじめ多くのゴルファーから熱烈な支持を得てきた『スリクソン Z-STARシリーズ』。NEWモデルの商品企画は、ボールとしての方向性を定めることからスタートした。
「『Z-STARシリーズ』は今回が9代目で、初代の登場から15年になるロングセラー商品ですが、私たちボールチーム全体として、〝今後はより多くのゴルファーに支持してもらいたい〟という想いがありました。そこで、まず日本のゴルファー全体の分析をして、次に、買っていただけそうなお客様のニーズを細かく分析することにしました」
 そう話すのは、今回の商品企画を担当した清水 祐希。一般ゴルファーを対象に、ウェブを使ってアンケート調査を行うなど定量的な分析をする一方で、人数を絞り、自分たちの立場を明かさない形でのインタビューなど定性的な調査も実施した。その結果、〝ツアー系ボール=ゴルフ歴が長い人や上級者だけが使うボール〟というのは先入観であり、実は、ゴルフ歴が浅くても、ツアー系ボールで純粋にプレーを楽しんだり、もっと上達したいと願って愛用しているゴルファーが一定数存在することが分かったという。
「そこで、これから開発する新しい『Z-STARシリーズ』は、実力やゴルフ歴にかかわらず、ゴルフを楽しみ、自分の目標に向かって挑戦し続けるゴルファーに寄り添うボールにしようと考え、企画をスタートさせました」(清水、以下同)
 ターゲットを拡大することを決めたNEW『Z-STARシリーズ』だが、同シリーズには『Z-STAR』(以下、Z-STAR)、『Z-STAR ♦︎ DIAMOND』(以下、DIAMOND)、『Z-STAR XV』(以下、XV)という3つのラインアップがある。そこで商品企画チームでは、前作までのそれぞれの強みと、プロ・上級者を含めたゴルファーが理想とするゴルフや課題を踏まえ、それぞれのスペックと推奨するゴルファー像を突き詰めていった。

清水 祐希(しみず・ゆうき)
住友ゴム工業(株) スポーツ事業本部 ゴルフビジネス部 ゴルフボールビジネスグループ
食品関連企業でマーケティング等を経験したのち2022年入社。以来、スリクソン・ブランドのゴルフボールの商品企画を担当。

 新しいユーザーを獲得するために、3つのモデルをどう位置づけるか。検討の末、開発されたNEW『Z-STARシリーズ』のうち、前作にくらべ最も大きく変化したのが『Z-STAR』だ。それは、〝優しさの~〟というキャッチフレーズにも表れている。
「ツアー系ボールのユーザーには、シニアや女性もいることが分かったので、開発チームには〝非力な人でも気持ちよく飛ばせるボールをめざしてほしい〟とお願いしました。その結果、NEW『Z-STAR』は、球曲がりを抑える高い直進性と、非力な方でもソフトで心地よい打感が楽しめるボールになっています。そのため、元々サイドスピンが多くて曲がりやすいのが悩みのゴルファーや、ヘッドスピードが速くないために球が上がらないことから、飛距離をロスしていると感じている方にピッタリです。もちろん、これまでの特長であるアプローチスピン性能も、今作ではさらに進化しています」
 ヘッドスピードがあまり速くなくても、高い直進性とソフトで心地よい打感が味わえる理由。それは、『Z-STAR』の歴代モデルの中でも最軟レベルに設計されたソフトコンプレッションだ。ドライバーなどのロングショットでしっかりとコアが変形。余分なスピンを減らすことができ、曲がりの原因になるミスショット時のサイドスピンも抑えてくれる。
 一方、今作が3代目モデルとなるNEW『DIAMOND』は、どんなユーザーを想定しているのか。
「〝操る~〟というキャッチフレーズの通り、スコアをまとめる上で重要なアイアンのスピンが多く、硬いグリーンでもピタッと止められるボールです。特にミドル~ロングアイアンでピンをデッドに狙いたいゴルファーや、元々アイアンでのスピンが少なく、思ったようにグリーンにボールを止められないゴルファーにおすすめします」
 そうした強みに加え、NEW『DIAMOND』は、ドライバーの飛距離、アプローチでのスピン性能ともに向上。また、清水いわく、NEW『DIAMOND』は、実は飛距離、アプローチのスピン量、フィーリングがいずれも3モデルの中で中間に位置するため、『Z-STARシリーズ』をまだ打ったことがないゴルファーは、このモデルから試してみるとよいかもしれない。
 そして、今回〝攻めの~〟というキャッチフレーズがつけられたNEW『XV』。これについても特長と対象ゴルファーを解説してもらおう。
「最新モデルも、やはりドライバーでの飛びを重視する方や、腕力に自信はないが飛距離を求めているゴルファーのために開発しました。打った時の〝バシッ〟という打球音や爽快感も楽しめますし、3機種の中で最も打感がしっかりしているので、パッティングでの弾く感じや、澄んだような高い音が好みというゴルファーにもおすすめです」
 NEW『XV』もまた、前作にくらべアプローチスピン量がアップしている。


『Z-STARシリーズ』のドライバーと7番アイアンの弾道イメージの比較。『Z-STAR』はドライバー、アイアンともに、飛ばしの3要素のひとつである打出し角を高くして飛距離につなげる。『DIAMOND』は7番アイアンの最高到達点が最も高く、落下角度も大きいためグリーンで止まりやすい。『XV』はドライバーの最高到達点が最も高く、遠くなる上にランも出る。

カラーバリエーションはホワイト、根強い人気のプレミアムパッションイエロー(右、全3モデル)のほか、今作から通常販売品として復活したロイヤルグリーン(左、『Z-STAR』と『XV』)をラインアップ。

 前段でも触れた、3モデルにつけられた〝優しさの~〟〝操る~〟〝攻めの~〟というキャッチフレーズ。この新たな試みは、先述した市場調査で清水たち商品企画チームが感じたことと関係がある。
「『スリクソン Z-STARシリーズ』という商品名は聞いたことがあっても、〝XVは松山 英樹プロが使っているボールだっけ?〟〝DIAMONDってナニ?〟という方が多く、残念ながら3モデルの違いやそれぞれの特長が知られていないのです。特長を知らなければ選べないし、選べなければ買えないので、まずはそれぞれの違いを知ってもらう必要があります。そのためどんな方でもパッと見て特長が分かるようにしたいと考えました。そのための方法として選んだのが、日本人にとって分かりやすい漢字を使うことで、〝優〟〝操〟〝攻〟と各モデルを漢字一文字で表現し、それをパッケージにも記載しました」
 また、企画チームでは、一般ゴルファーやダンロップの契約プロへのヒアリングも行い、ボール選びの基準を探った。その結果、自身のプレースタイルや課題が深く関わっていることが分かった。
「そこで、調査結果を基にモデルごとに推奨したいゴルファー像を深掘りして具体化しました。たとえば、NEW『Z-STAR』であれば〝優れた直進性とソフトで心地よい打感を好む、幅広いゴルファーへ〟というように、どんなゴルファーに向けて作ったのかを解説して、お客様に読んでもらえるようパッケージに記載しています。各モデルの特長をしっかりと伝えるにはどうすればいいのかということは、商品企画としていちばんこだわったところです」
 ボールの特長をしっかり伝えたいという意図は、新しいパッケージデザインからも見てとれる。
「『Z-STARシリーズ』は、商品企画も開発も〝常にゴルファーの挑戦を後押しし、プロをはじめ、それぞれのゴルファーの勝利のいちばんそばにあるボールでありたい〟と考えているので、前作に続いてパッケージデザインでも、勝利すなわち〝VICTORY〟をイメージして、ローマ字の〝V〟をモチーフにしました。それにプラスして今回は、『Z-STARシリーズ』らしい力強い弾道や躍動感のようなものを表現できないかと考え、それをパッケージデザインに落とし込んでいます」

 NEW『Z-STARシリーズ』の3モデルすべてにおいて、前作にくらべ向上しているのが、すでに触れたアプローチスピン性能だ。最適な分子設計を行った新開発「高スピン バイオウレタンカバー」により、インパクト時のクラブフェースとボールの接触時間が長くなることで、スピン性能がアップするとともに、心地よい打感も実現した。
 そのカバー原材料の一部には、トウモロコシから抽出した「バイオポリオール」を使用している。これは、ダンロップが掲げる「2050年までにゴルフボールに使用するサステナブル原材料の比率を100%にする」という目標達成のための第一歩だ。
「ヨーロッパでは日本にくらべ環境意識が非常に高く、欧州限定のボールでは、パッケージをはじめ、より環境に配慮したものづくりをしています。その方向性は今後も変わらないはずですし、国内でも、当社の環境保護に関する考え方や意思を商品に落とし込むことを進めています。それと、『Z-STARシリーズ』は、性能を追い求めつつ、それ以外の部分でも強みを持ちたいと考えています。具体的には、他との差別化を図るために、消耗品として環境対策をしっかり推し進めていくことで、購入のきっかけになればと。すぐに結果は出ないかもしれませんが、ゴルファーのみなさんに〝『Z-STARシリーズ』は環境に配慮したボール〟というイメージを持っていただけるようにしたいですね」
 モデルチェンジをしても、外見からは変化が伝わりにくいのがゴルフボールだが、9代目の『スリクソン Z-STARシリーズ』の中身は新しさであふれている。
「これまでのユーザーに加えて、冒頭にお話ししたように、ゴルフのキャリアの浅い方や腕力に自信のない方でも、もっと上手くなりたい、自分の課題を解決したいという方には、ぜひ手に取っていただきたいと思います。今回は『Z-STARシリーズ』をよく知らないという方や、ボールに詳しくないという方のために、フィッティング要素をしっかりと加えました。それらを参考にして、ご自身の理想のゴルフを実現し、NEW『Z-STARシリーズ』をぜひエースボールにしていただきたいですね」
 NEW『Z-STARシリーズ』の3モデルの特長と推奨ゴルファーについては、パッケージの説明文ほか、専用ウェブサイトでも公開中だ。