2025/04/28

SRIXONレポート

《ダンロップアマチュアモニター・武田 紘汰さんインタビュー》男子下部ツアーで最年少優勝の快挙! 次の目標はアマチュア日本一

 今年で17回目を迎えた「Novil Cup」は、武田さんの地元・徳島にある「Jクラシックゴルフクラブ」(阿波市)で開催された。
 第1ラウンドで武田さんはボギーなしの4バーディを奪い「68」をマーク。首位とは4打の差があったものの、プレー後、報道陣を前に「勝てる気がします」と話した。同コースは、自身が通う生光学園高校から車で30分ほどの距離にあり、週に何度もラウンドしているという。コースを知り尽くしているとは言え、初日を終えた時点でなぜ勝てると感じたのか。

初日は、前半も後半も自分の思い通りのプレーができました。4アンダーも自分が目標にしていたスコアだったし、ショットもパットも感触がよかったので、〝このままいけるかも〟と思ったんです

 第2ラウンドは、バーディを獲ればボギーも出るという出入りの激しいゴルフとなった。それでも2つスコアを伸ばし、通算6アンダーでホールアウト。大会出場3回目にして初めて決勝ラウンドに進んだ上、首位と3打差の3位タイと優勝を狙える好位置につけた。
 最終日、最終組のひとつ前の組でプレーすることになった武田さんは、フロント9で3つのバーディを奪い、通算9アンダーの首位タイで折り返す。バックナインに入り単独首位に立ったあと、一時は首位に並ばれたものの、再び単独トップで迎えた16番パー5でバーディを奪取。2位との差を広げると、最終18番パー4では10mを超えるパットを見事に沈めてバーディフィニッシュ。ボギーフリーの6バーディ、当日のベストスコアに並ぶ「66」で回り、通算12アンダーでクラブハウスリーダーとなると、そのまま2位以下に3打差をつけ、男子下部ツアー史上最年少となる17歳3か月で優勝を飾った。
 プロに引けを取らない高い技術に加えて印象に残るのが、17歳とは思えない淡々としたプレーぶりだ。勝利をほぼ確実にした18番のバーディパットを決めた後でさえ、ほとんど表情を変えなかった。どんな思いでプロたちと戦っていたのだろうか。
最終日の終盤は、相手がプロだと思わずに、アマチュアの試合だと思ってプレーしました。ただ、リーダーボードで自分の名前を見て、優勝した価値の大きさが分かりました(笑)」。

 JクラシックGCでの「66」というスコアは、これまでも何度か出したことがあるという。ただし、それは通常営業時のことで、同じスコアでも、トーナメント用のセッティングで記録した今回のほうが価値がある。より難度の高いコースでベストなプレーができたのはなぜなのだろう。

試合ということで、いつもより力が出たのかもしれませんけど、やっぱりパットがよかったからだと思います。〝これは決めたい〟という距離が入ってくれましたし、けっこう長いパットも時々決まってくれたので
 とパッティングが好調だったことを要因に挙げる。さらに、
グリーンもいつもとは違いました。ふだんはグリーンがもう少し重くて目がきついので、その影響を受けるのですが、あの試合では速かったので、あまり目の影響を受けませんでした。打ちたいところに打ち出せれば入る、という感じでした
 と、スピードを増したグリーンが幸いしたと明かす。

 プロトーナメントには、23年11月にレギュラーツアーに初参戦。それから昨年末までに計5試合に出場したが、いずれも予選通過は果たせなかった。下部ツアーでも、これまでは49位が最高順位だったが、今回、一気に頂点を極めた。
 まさに大きな飛躍を遂げた武田さんに、自身のゴルファーとしての強みを尋ねると、
勝負強いほうかなと自分では思います。いいプレーができて、流れがよくなって勢いに乗ったら、他の選手には負けない自信があります
 と力強く答えた。
 この春、高校3年生になった武田さん。自身の将来については、
いずれプロになりたいとは思っていますが、いつなるかはまだ決めていません」と話し、少なくとも今年はアマチュアとしてプレーするようだ。
 下部ツアー優勝という快挙を成し遂げた今、次に見据えるのは7月に開催される「日本アマチュアゴルフ選手権競技」(以下、日本アマ)での初優勝だ。
出場するには、まず四国アマで上位に入らないといけませんが、自分のプレーができたら、それはクリアできると思います。日本アマには去年初めて出場しました。初日を終えて5位タイだったのですが、2日目、3日目とスコアを崩してしまって最終順位は17位タイでした。今年は初日からいい位置につけて、そのまま最後まで頑張りたいです」。
 さらに、
(一昨年優勝した)日本ジュニアで、もう一度勝ちたいと思っています
 と話す。その口調は穏やかだが、強い決意が感じられる。
 今年、2つの日本一の座を狙う武田さんのプレーに大きな注目が集まる。

《武田 紘汰さんの使用ギア》
■ ボール:スリクソン Z-STAR XV
■ ドライバー:スリクソン(9.5°)
■ フェアウェイウッド:スリクソン ZXi(#3)
■ ハイブリッド:スリクソン(#3)
■ アイアン:スリクソン ZXi5(#4)、スリクソン ZXi7(#5〜PW)
■ ウエッジ:クリーブランドゴルフ(50°、54°、58°)
■ ヘッドウエア:スリクソン
■ グローブ:スリクソン GGG-S028
※カスタマイズされたギアを使用していることがあり、販売していない場合があります。


武田 紘汰(たけだ・こうた)
2007年徳島県生まれ。祖父の影響で、早くも2歳の時にゴルフを始める。2022年、中学3年生で「四国ジュニアゴルフ選手権」を制すと、翌23年には同大会を連覇。同年「日本ジュニアゴルフ選手権競技 男子15歳~17歳の部」で初の日本タイトルを獲得。高校3年生となった今年4月、ACNツアー「Novil Cup」で、同ツアーの史上最年少優勝を達成。得意クラブに挙げるドライバーの平均飛距離は290ヤード。身長170cm、体重60kg、血液型A。生光学園高等学校在学中。