3日目を終えて通算1アンダーの6位タイにつけた片岡。最終日は、7打差を追いかけて最終組の3組前からティオフした。
1番パー4で幸先よくバーディを奪ったものの、続く2番パー4でボギー。6番、7番の連続バーディのあと、9番パー5をこの日2つ目のボギーとしたが、通算2アンダーの4位タイに順位を上げて折り返し、この時点でトップと差は4打に縮まった。
逆転勝利のために、さらに差を縮めたい片岡だったが、日本オープン最終日のバック9は、やはり思うようにプレーさせてくれない。10番から12番までの3ホールはパーで、首位との差は逆に5打に開いた。
それでも、13番パー5で第2打をグリーン左手前のカラーまで運ぶと、そこからの第3打を2.5mに寄せてこの日4つ目のバーディ。通算3アンダーとして単独3位に浮上した。
だが、ここからは再び我慢のゴルフが続いた。
14番、15番をパーとしたあと、16番パー3ではティショットを右バンカーに入れたが、第2打を2mに寄せパーをセーブ。さらに最終18番パー4では、ティショット、第2打と右ラフを渡り歩き、60ヤードの第3打はピンを4mオーバーした。
この時点で、3アンダーでホールアウトしたプレーヤーが1人おり、決めなければ優勝の可能性が消えるというパーパット。だが、
「“絶対に入れてやる”という気持ちでしっかり打った」(片岡)
というパットはわずかにスライスしてカップに消え、パーをセーブ。絶体絶命のピンチを脱した片岡は、この日2アンダー「68」、通算3アンダーの2位タイでホールアウトし、後続の組を待った。すると、トップにいたプレーヤーがスコアを落とし通算2アンダーでホールアウト。片岡を含む2人が首位に並び、勝負は大会14年ぶりというプレーオフに持ち込まれた。
雨が強くなり、日暮れが迫って気温も下がり始めた中、18番を使って行われたプレーオフ1ホール目。ティショットでフェアウェイをキープした片岡だったが、第2打はグリーンをとらえられず、ボールは右手前のラフに落ちた。深く、雨を含んだラフからという難しいアプローチが残ったが、片岡は見事50cmに寄せた。
そして、相手が3オン・2パットのボギーとした後、片岡はそのパットを慎重に沈め、パーをセーブ。勝利の瞬間、天を仰ぎながら右手で小さくガッツポーズを作ると、両目からは涙が溢れた。
プロ2年目の2021年にツアー初優勝を飾って以来、7度の2位に甘んじてきた片岡。
「やっと勝てた。ここまで頑張ってきてよかった」
優勝直後のインタビューでそう語った4年ぶりの2勝目は、ナショナルオープンというビッグタイトルとなった。また、この優勝は片岡にとって2014年の「日本ジュニアゴルフ選手権競技」(男子15歳~17歳の部)に次ぐ2つ目の日本タイトル獲得にもなった。
今大会での片岡は「70-70-69-68」と、4日間を通じて唯一人オーバーパーなしという抜群の安定感を見せた。特に、最終日のバック9をノーボギーで凌いだのは見事のひと言だった。
「4日間を通してパットが本当に入った。日本オープンなので厳しいパーパットが何度もあったが、ほぼ入ってくれた」(片岡)
と、パットを勝因に挙げた。また、日光カンツリー倶楽部の硬く締まった高速グリーンに対し、随所で見せた多彩なアプローチショットも光った。そんな片岡のゴルフに、ドライバーをはじめとする『スリクソン ZXi シリーズ』や『クリーブランドゴルフ RTZ ウエッジ』、そして『スリクソン Z-STAR XV』が、そのすぐれたパフォーマンスで貢献した。
この優勝により、5年間のシード権に加え、「出場するのが夢だった」という「マスターズ」と「全英オープン」の出場権を手にした片岡。苦しんだ末につかんだ2勝目をきっかけに、今後さらなる飛躍を遂げることを期待したい。
《片岡 尚之プロの使用ギア》
■ ボール:スリクソン Z-STAR XV
■ ドライバー:スリクソン ZXi LS(10.5°)
■ フェアウェイウッド:スリクソン(#3、#5)、スリクソン ZXi(#7)
■ アイアン:スリクソン ZXi5(#4、#5)、スリクソン ZXi7(#6、#7)、スリクソン Z-FORGED II(#8〜PW)
■ ウエッジ:クリーブランドゴルフ RTZ ツアーラック(52°、58°)
■ キャディバッグ:スリクソン
■ ヘッドウエア:スリクソン SMH5150X
■ グローブ:スリクソン GGG-S028
■ アンブレラ:スリクソン
※契約選手はカスタマイズされたギアを使用していることがあり、販売していない場合があります。