2021/12/22

コラム

スコアーアップの近道!?パターの基本と正しいパターの打ち方を身につけよう

貴方は1ラウンドの一般的な基準打数(Par72)の中で、パターの打数が占める割合はどの位かご存じですか?
Par5のロングホールでは、ショットの数が3、パターの数が2。Par4のミドルホールではショットの数が2、パターの数が2。Par3のショートホールでは、ショットの数が1、パターの数が2。この様に 各ホールで2ストローク分、18ホールでは36ストローク分のパター数が含まれています
Par72のコースでは半分がパター数となっている訳です。
ルールでは、1人のプレーヤーが使えるクラブの本数は14本と決まっているのですが、その内の1本であるパターで36ストローク分を占めている訳ですから、パターの良し悪しでスコアに与える影響が大きく、いかに重要なポイントかが理解できると思います。

300Y飛ばすドライバーショットは誰でも打てる訳ではありません。最近は道具の進化も目覚ましく、昔に比べて飛距離は伸びて来ていますが、それでもかなり恵まれた身体や筋力、それ相当の技術が無ければ困難です。
しかし、パターならばどうでしょうか?もちろん技術は必要ですが、恵まれた身体や筋力も必要ありません。少し極端な事を言えば、女性アマチュアゴルファーが男性プロをショットで打ち負かす事は不可能と言えますが、パターならば勝てる可能性があると言う事です。

パター数はスコアに占める割合が大きく好不調がそのままスコアに結び付きます。誰でも上達できるチャンスがあるパターですが、その割にショット練習に比べてパター練習に割く時間が少ないのが現状です。
そんな、スコアアップのチャンスが詰まっているパターを、今回は掘下げて考えて行きましょう。

 パッティングの基本姿勢はプロでも特徴があります。例えばスタンスを見ても、広め、狭め、オープン、クローズと人それぞれです。ただしパッティングの重要なセオリーとして、ボールを真上から見て、振り子のようにパターを動かしたいので、

①まっすぐに立ち正しい良い姿勢を取ってからアドレスを取る。

②ボールポジションは目の真下からやや外側。左右の位置はスタンスの中央からやや左より(右利きの場合)

③パターを吊り下げて構える様にし、
両肘とシャフトは一直線になるイメージ

グリップは、一般的には「逆オーバーラッピンググリップ」。
※ただし、クロスハンドグリップ、クローグリップなどグリップの握り方にも色々あります。同じ動きを安定して繰り返し行える自分に合ったグリップを見つけるようにしましょう

左手人差し指を曲げた状態や伸ばした状態で右手の上に乗せた握り方。

左右の手を上下逆にして握るグリップ。

クローとは(Claw)鉤爪を意味し、右手をカニのハサミ様な形にしてグリップを挟んで握る方法。手首の余計な操作を制御できるメリットがある。

パッティングには飛距離を出す為の大きなスイングやスピードは必要なく、繰り返し同じ事が行える「安定感」が重要です。それにはおもに2つのポイントがあります。

リストターンが大きくなるとフェースの向きも安定しません。打ち出されるボールの方向も安定せず、確率の高いパッティングとはなりません。手首の余分な動きを抑える為に、グリップの握り方から意識しましょう。パッティングのグリップは、手のひらに対して比較的「縦」に握ります。両肘から先が一直線になります。 その握り方により手首の余分な動きを抑えたショルダーストロークが行いやすくなります。

良いストロークには、土台となる下半身の安定が不可欠です。基本はショットの時と同じ姿勢です。ただしパッティングでは体重移動も回転運動行いたくありません。ショルダーストロークを支える安定した土台(下半身)を作るために、自分なりのよりしっかりとしたコアや股関節、お尻の状態を意識しながらスタンス幅やつま先の向きなども研究しましょう。

今よりもレベルアップし、入る確率が高いパッティングを行うためには2つの重要なポイントがあります。それは、
①狙い通りボールを転がせるか?
②グリーンの読み

この2つをそれぞれ詳しく見て行きましょう。

よく、パターに必要なのは「方向性」と「距離感」と言われます。
方向性を向上させるには、準備が必要です。それは、「狙った方向に正しくフェースを向ける」と言う事です。当たり前の事ですが、実際には狂っている人が多いのも事実です。パターマットのラインやフローリングの線や本を利用して、フェースの「真っ直ぐ」をよく確認して、真っ直ぐの感覚を研ぎ澄ます練習が必要です。ボールに自分でラインを引く人もいますし、はじめからラインが引いてあるボールの販売されています。ボールにラインがあると、フェースを真っ直ぐ合わせる助けになります。

 次に距離感を合わせるのに必要な事が「振り幅」と一般的に言われています。確かに振り幅は基本として重要なのですが、ここでは別の事に注目したいと思います。それは「リズム」や「テンポ」です。リズムとは、ストロークの流れの中で、始動やバックスイング、フォワードスイングといった動作の流れの調子の取り方、抑揚のつけ方を言います。また『テンポ』とは単純にストロークが完了するまでの速度の事ですが、ここでは両方を合わせて『リズム』として表現します。

 同じ振り幅でも、リズムが異なれば距離感が変わります。ゆっくりしたリズムで打てばストローク中のヘッドはゆっくり動き、ボールの転がる距離は短く、逆に早いリズムで打てばヘッドが早く動く分、スピードも速くなり強いインパクトになって転がる距離が長くなります。
 同じ距離を何度も繰り返し打つには、振り幅とリズムを一定にすることが必要です。そして距離を変える場合は、振り幅を変えるだけでなく「振り幅を変えてもリズムを一定」にすることが重要なポイントとなります。
 つまり小さな振り幅でも大きな振り幅でも、ストローク中のリズムは一定です。同じリズムの中で振り幅が変わる事で、ストローク中のヘッドスピードが変わり距離を打ち分けられるのです。
 またリズムをコントロールすることで転がるスピードが大きく異なる様々なグリーンに距離感を合わせることもできるようにもなります。

●リズムが一定であれば…
 小さな振り幅ではクラブヘッドはゆっくり動く ⇒ ヘッドスピードが遅い = ボールが転がる距離は短い

●リズムが一定であれば…
 大きな振り幅ではクラブヘッドは早く動く ⇒ ヘッドスピードが速い = ボールが転がる距離は長い

どんなに狙い通りにボールを転がす技術を持っていても、ラインを読む事が出来なければ入る確率は著しく下がってしまいます。
プロや上級者はどの様にしてグリーンを読んでいるのでしょうか。読み方のセオリーを説明します。

「グリーンは手前から攻めて行く」「奥に外すとアプローチが難しい」と言います。何故でしょう?
それは、殆どのグリーンは手前が低く奥が高い「受けグリーン」だからです。

仮にピンがグリーンの真ん中にあるとしましょう。
グリーンの手前が低く奥が高くなっているとすればA~Dそれぞれは
・A)手前からは上り
・B)右からはフック
・C)奥からは下り
・D)左からはスライス

手前が低く奥が高い受けグリーンでは、ボールが止まった場所によってラインは決まってきます。
・Ⅰ)上りフック
・Ⅱ)下りフック
・Ⅲ)下りスライス
・Ⅳ)上りスライス

この様に、グリーンオンしたボールの位置とカップの位置関係によって、おおよそのラインはイメージ出来る訳です。面をうねらせたり、複数の面を組み合わせたりしたような複雑な面構造を組み合わせたグリーンもありますが、原則を理解しておくとかなり役に立ちます。

※ごく稀に奥に向かって低くなっているグリーンやエリアもあるので100パーセント決めつけるには少し注意は必要です。

ショットがグリーンオンし、グリーン上の自分のボールに行ってからラインを読む人がいます。
このやり方だとグリーンに上がってからはボールとカップの間の傾斜しか見えません。
グリーンに向かっていく中で、グリーン周辺の地形やグリーン全体の傾斜の状態を見て、一番高いところ、一番低いところなどを観察しましょう。全体的な地形や傾斜が見えないと、ボールとカップの間の傾斜だけでは錯覚してしまう事もあります。

グリーンに上がった後では全体の傾斜を確認出来ません。
グリーンに上がる前であれば、全体を低い位置から見渡す事が出来て、傾斜が分かり易くなります。

グリーン上では、自分以外の同伴者のラインも予想しておきましょう。それによって自分のラインの「確かめ算」ができます。例えば、上記図の「A」に自分のボールがあったとしましょう。先に打つ人が「B」にあり、打ったボールが大きくフックした場合、「A」にある自分のボールは「上り」である事が確かめられます。

このように他の人のラインを読んでおくことで、自分のボールの確かめ算ができ、読みがより確実なものになります。
このように「①狙い通りにボールを転がす事」「②ラインを読む」といった2つのポイントができるようになれば、かなり上級といえます。

つぎは、更なる高みの【ラインを作る】を目指していきましょう。名人クラスの人は【イメージ通りにラインを作る】事ができるのです。

「カップ2個分フック」とイメージできるラインがあったとします。ところでどんな強さで打ってもカップ2個分のフックでしょうか? 弱めにカップに届くギリギリの強さで打ったならば、カップ3個分近くフックするでしょうし、強めにヒットしたならばカップ1個分で十分かもしれません。「カップ2個分」と言う言葉の中にはラインだけでなく、カップ2個分曲がるボールの転がり速度や、距離感でもある強さの加減(タッチ)の意味も含まれています。

 軽く曲がるとイメージしたショートパットで、思っているよりも強くヒットしカップの渕をそのまま抜けてしまう事は、ラインの読み間違いではなく「タッチ」が強すぎたことによるミスです。10メートルのロングパットを3メートルもオーバーする事も「タッチ」のミスです。
よく、ショートパットは方向性のミス、ロングパットは距離感のミスと言われますが、ショートパットでもロングパットでもラインと距離感(タッチ)のミスマッチが大きな原因である事がお分かりいただけると思います。

ラインを作るとは、曲がりと強さのつり合いを状況に応じて巧みに調整し両立させカップインさせる技術のことを言います。その為には、カップインまでの転がりのイメージに合わせた絶妙な強さでボールをヒットする事ができる感覚、つまり「タッチ」を磨くことがとても重要です。

自宅にパターマットをお持ちの方は多いと思います。本番と違いラインも真っ直ぐで同じだし何回打っても入るし面白くない。と思っている方も多いと思います。
確かにその通りですが、実はコースでは真っ直ぐなラインは意外と難しいのです。
《真っ直ぐなラインが難しい理由とは》
1)真っ直ぐなラインは入口が狭く、曲がるラインは入口が広い
2)真っ直ぐなラインはカップインするラインが1本しかなく、曲がるラインは強弱によって複数ラインを作れる
3)フックラインは「押出し」、スライスラインは「引っかけ」のミスであれば、強さによっては入る可能性が残っている

真っ直ぐのラインは強く打っても弱く打っても入口の幅に変化はありませんが、曲がるラインは強弱によってラインを作る事が出来ます。つまり曲がるラインはタッチの強弱で入口を広くする事も可能なのです。
また、フックラインの押出し、スライスラインの引っかけのミスに対して、強さ次第でカップ方向にボールが戻ってきてカップインする可能性が残っていますが、真っ直ぐのラインでは、押出し、引っかけのミスはどの様な強さであれ、カップの入り口からは逸れて行きカップインの可能性が大きくダウンします。真っ直ぐのラインは「真っ直ぐ打たなければならない」だから難しいとなります。
この一番難しい真っ直ぐのラインでパターマットを使って、カップの渕に止まりそうな最後の一転がりでポトリと落ちるようにカップインさせたり、勢いよく向こうの渕にぶつけて入れたりなど、タッチの強さに変化を持たせて入れる練習をしましょう。

数あるパター練習機の中で、数少ない「タッチ」が練習できるパター練習器です。
打ったボールが常に同じところに戻って来る様に打つ事で、同じタッチが身に付き感覚が作れるようになります。ボールをヒットする感覚を養う事が出来る非常に優れた練習器具で、ダンロップゴルフスクール推奨の練習器具でもあります。

今回はパターに関する「打ち方」という一部分のお話となります。ゴルフは奥が深いといいますが、他にも色々な種類の中からのパターの選び方や、コースマネジメントの仕方等、パター数を減らすには「道具」や「コースの攻め方」も重要になります。
パターに自信を持っている人はグリーンを狙うショットを打つ時に、「グリーンオンしてくれたら良い」と、余裕を持った考えでショットが打てる分、ショットに自らプレッシャーをかける事が少なくなります。かたやパターに自信がない人は、「遠くにグリーンオンしたら3パットしてしまうからピンの近くにオンさせないと」と必要以上のプレッシャーを感じてミスショットをしたり、無茶な攻め方をして結果的に難しいアプローチが残ってしまったりなどスコアを大きく崩す負の連鎖に陥りやすくなります。
このようにパッティングの上達はプレー中の心理的な安心感をもたらし、その人のゴルフ全体に好影響を与えます。練習場でショットの練習だけ行うのではなく、わずかの時間でも良いのでご自宅でもゴルフの半分近くを占めるパッティングの「本当に効果的な練習」に時間を割くようにしましょう。


ゴルフスクールの特長

 

あなたのゴルフライフをサポートする、様々なサービスなどをご紹介します