2022/01/17

コラム

フックってなんだ?フック(チーピン)が起こる原因と解決策を解説

そもそもフックとは何でしょうか?フックとはボールが左へ曲がって行く(左利きの方は右へ)球筋の事です。
空中を飛んで行くショットでもグリーン上でボールを転がすパッティングでも左へ曲がって行く(左利きの人は右に曲がる)ボールはフックと言います。パッティングは地面に接しながらボールが転がって行くので、傾斜の影響を受けてボールが曲がるのですが、ショットの場合は風などの影響を除けば、ボールにかかっている「サイドスピン」の影響によってボールがフックします。

では、何故ボールにサイドスピンがかかるのか?ゴルフではボールが曲がる(スピンがかかる)要素としてインパクトにおける2つの重要なポイントがあります。

◇クラブ軌道(ターゲットに対して)

1、インサイドアウト
2、インサイドイン(スクエア)
3、アウトサイドイン

◇フェース向き(クラブ軌道に対して)

A、オープン
B、スクエア
C、クローズ

この2つのポイントがそれぞれ3タイプあり、3タイプをそれぞれ組み合わせる事によって「9つの球筋」が生まれます。

球筋を大きく分けて9種類に分類出来る事が理解出来ましたか?自分がどの球筋にあてはまるのかを理解する事によって、自分の問題点、練習方法が分かるようになりますここが理解出来ないと、間違った練習を重ねてしまい、いつまでたっても上達しない等の問題が発生します。

また、不安定でどのミスも出てしまうという事であれば、コースでプレーする際に方向合わせなどに問題があったり、スイングが小手先でクラブを動かしすぎていたりしていることが原因で、クラブ軌道もクラブフェースの向きも不安定になっていると考えられます。

9つの球筋を見て頂くと、フックだけで③、⑥、⑨の3種類ある事が分かります。
それぞれのフックを具体的に見て行きましょう。

プッシュフックはターゲットよりも右にボールが打ち出され、そこからターゲット方向にフックして来る球筋の事です。ターゲットよりも右に打ち出されて戻ってくるような球筋です。インサイドアウトの軌道は他の軌道に比べて入射角も緩やかなので、フックの中では打出角も高めで比較的結果も良いコントロールされた球筋です。

ストレートフックはターゲットラインに打ち出され、そこから左に曲がって行く球筋です。ターゲットラインよりもフェースが閉じた状態ということは、同時にロフト角が立ってインパクトする事になるので、やや低い強めの球で左に曲がって行きます。強い球筋なのでランを含めて飛距離も出るので、場合によってはOB等のペナルティーになってしまうケースもあります。

プルフックはターゲットラインよりも左にボールが打ち出され、更に左へボールが曲がって行く球筋です。ターゲットから大きく左に逸れて行き、フェースが閉じた状態で尚且つクラブもアウトサイドイン軌道で、クラブヘッドの入射角も上から急角度に入ってくるので、キャリーは出ませんが打出角が低くランが多くなる強い球筋です。そのためコースから大きくそれていきOBまで転がって行くケースもあります。

フックは大きく分けて③プッシュフック、⑥ストレートフック、⑨プルフックの3タイプがあることを説明しました。目標の右に打ち出されボールの高さも確保できた飛距離も出やすい③プッシュフックと、地を這う様な低い球で十分なキャリーが出ず、左へ左へと大きく巻き込んでOBに向かって行く様な⑨プルフックでは、同じフックでも良いフックと悪いフックがある事は理解頂けたと思います。勿論、良いフックと言っている③プッシュフックも、極端にフェースが閉じていたり、極端なインサイドアウト軌道になっていたりすると大きな曲がりに繋がりますからご注意下さい。

フックの原因と改善方法を説明する前に、改善するにあたりしっかりとした準備が行われているか確認が必要です。フックの原因としてフェースの向きやクラブ軌道を注意する以前の問題として、アドレスやグリップが原因となっていて、スイングでは補いきれない状態になっているケースがかなり多いからです。イメージする球筋を打つ為には、その球筋が打ち易いアドレス、グリップになっている事が非常に重要なポイントです。上級者やプロの場合、スライスやフックを打つ為に、または低い球や高い球を打つ為には必ずアドレスから変えます。

上達には正しいグリップと正しい姿勢・アドレスが不可欠です。

ティーチングプロの目線で言うと、アドレスを見ただけでその人の技量や「打ちたい球筋がイメージ出来る」のです。正しいアドレスやグリップは、アマチュアゴルファーにとって意外と軽視しがちで、スイングで何とかなると思っている場合が多く見受けられます。また「どれが正しくどれが間違っているのか。」自分ではなかなか分かり難い部分でもあります。自分に適した正しいグリップ、アドレスを身に着ける為には、クセが強くなる前に優秀なティーチングプロに見て頂く事が一番の近道だといえます。

プッシュフックはフックの中では正しいフックです。ターゲットラインの右に打ち出されたボールがフックしてターゲット方向に戻ってくる球筋です。打ち出された方向(出球)とターゲットラインの幅が狭い程、ストレートに近い効率の良いコントロールされたフックです。曲がり幅が少ないフックは大きな飛距離を生み出す事も出来て、誰もが憧れる球筋と言えるでしょう。

ストレートフックのクラブ軌道は比較的正しい動きなのですが、インパクト時のフェースが必要以上に閉じている傾向があります。この様な症状の方は、まずアドレス時のフェース向きやご自身のグリップを確認してみて下さい。フェース向きが目標よりも閉じているケースや、グリップが必要以上にフックグリップ(ストロンググリップ)になっているケースもあります。スイングを始める前のセットアップを十分確認し、それでもストレートフックが出る場合は、スイング中の右手(左利きの方は左手)が強くなってしまっているケースや、ダウンスイングで下半身が止まってフェースが閉じているケースが考えられます。

スイング中にフェースが閉じやすいグリップになっていないか︖のチェックも必要です。

プルフックはクラブ軌道がアウトサイドイン軌道で、その軌道に対してフェースが閉じている場合に出る球筋です。この場合は手先による動作が強く出ているなど、スイング的に大きな問題が多いと言えます。打ちたい方向と振っている方向のズレが大きくなればなるほど、大きなミスショットになってしまいます。

フックボール関連のミスショットで「チーピン」と言うミスショットがあります。上記3種類のフックそれぞれで、打ち出し方向に関係なく極端に左(左利きの人は右)に曲がるボールをチーピンと称します。語源は麻雀の「7筒」(チーピン)の図柄の様に左に曲がるからです。このチーピンは、上級者や比較的ヘッドスピードの速い方が悩まれている傾向があり、チーピンがラウンド中に出始めてしまうと、左へOBを連発してしまい、大きくスコアを崩す事になってしまいます。最近のクラブやボールは、昔と比べるとかなり曲がりにくい特性を持っていますが、それでも大きなスコアロスを招きます。
原因としては、極端な「インサイドアウト」「クローズドフェース」「アッパースイング」などです。フックはスライスに比べてロフトが立ってインパクトを迎えるので、スライスよりも強い球筋にもなりますし飛距離も出ます。半面バックスピンが減る傾向があるので、ボールに浮力が働かなくなります。スピン量の少ないドライバーなどでは野球のフォークボールのようにドロップ(落下)してしまう様な球筋となってしまいます。この様な球筋を打っている方は、フェアウェイウッドやアイアンでも同じような傾向があり、他の人に比べてグリーンを狙うショットでグリーン面にボールが落ちても止まらず、奥へこぼれてしまうケースが多くなります。

極端なアッパースイングはチーピンの原因となります。アドレス時、身体の左右側面のバランスを均等にして、身体の「軸」を真っ直ぐに保つように意識する事が重要です。




誰もが憧れる真っすぐ伸びて行くドライバーショット…。ゴルフの醍醐味ですよね。そんな球を打ちたいと思い、一生懸命に練習場でドライバーの練習を多くしている方がいますが、実際にはどの様な練習が必要なのでしょうか?

練習場では、あなたは何を考えますか?「どうしたら真っ直ぐ飛ぶかな?」「どうしたら安定するかな?」などと考えている方が多いと思います。お勧めの考え方は「真っ直ぐ飛ばす為には、先ず曲がる事を理解しましょう」と言う事です。

ゴルフを始めた頃、多くの方はスライスに悩みます。「どうしたらスライスが直るかな?」と試行錯誤しながらスライスの修正を行います。徐々にスライスが直って来ると次にフックに悩みます。フックになると、それを直そうとしてまたスライス…。しかし、2回目のスライスは1度フックを経験しているから1度目のスライスよりも曲がり幅が少ないのです!フック、スライス、フック、スライスと何度か繰り返している内に、徐々にその幅が狭くなって行く中で、真っ直ぐの球筋に近付いて行きますし感覚も磨かれていきます。これなら大きな問題は無いようにも感じますが、手先に頼った修正を繰り返していると常に不安定で、思うようにベストスコアが更新できなくなる場合も多いのです。

もし本当の上級者を目指すのであれば、手先に頼るクセが脳と身体に強く記憶されてしまわないうちに、身体で腕とクラブをコントロールできる本質的に良いスイングをマスターするようにしていくことが望ましいのです。できれば早い時点で本質を意識したスイング作りを進めていきましょう。
   
すでに質の高いスイングを身に付けているプロであっても、練習の際には意図的にフックやスライスを打つ事によってスイングを微調整し、常にニュートラルな状態(自然に振った時にイメージする球筋が打てる状態)にする練習を行っています。それは同時に様々な障害物やトラップがある多様なデザインのコースや向かい風や横風などの風対策など、コース攻略の準備でもあります。言い換えれば、練習場でボールを真っ直ぐ打とうとする練習だけではなく、曲げる練習も行いながら調整していると言う事です。

意図的にボールを曲げる事は難しい!と言う方は、初めのうちはどちらに曲がっても良いので「どの方向にボールが打ち出されているか?」にこだわって練習する事もお勧めです。どの方向にボールが打ち出されているか?いわゆる「出玉」は、どの方向にクラブを振っているか?の指標となりますので、打ち出したい方向の先に目印を付けるなどして、先ずは自分の「出玉」を確認してみて下さい。ターゲットラインからの「出玉」のブレ角が、グリーンやフェアウェイの幅に収まらないようなら注意が必要です。

左写真の内にあるアライメントスティックや、
ゴルフボールなどの目印を置き、
目印に向かってボールを打ち出せる様に意識して
「出玉」をコントロールする練習をしてみましょう。

初心者に多い身体の動きとクラブの動きがバラバラな状態でフェース面のコントロールがおぼつかないスライスに比べて、「クラブヘッドの操作」つまりインパクトでのクラブフェースの返しが出来るようになると打ててくるフックボール。スライスより1ステップ進んだことによるミスと言うイメージがあります。しかし、フックはスライスに比べてロフトが立ってインパクトする為、強い球筋になってミスした時の怪我が大きく、元々のバックスピン量も少ないのでランを少なく抑えるコントロールが難しい球筋でもあります。
ゴルフは、フェースに当たるようになってくればスライスかフックかの2種類しかありません。フックに悩んでいる人はもう一度スイングの基本を確認しながら「良いスライス」も打てるように思い出しながら、「ボールが曲がる」ではなく「ボールを曲げる」事が出来る様に練習してみてください。


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