2021/12/03

XXIO製品情報

《NEWゼクシオ エックス/12/レディス 誕生ヒストリーVOL.2 》〝飛びの翼〟はフェアウェイウッド&ハイブリッドにも。アイアンも〝たわみ〟で飛ばす

【VOL.1】〝翼〟の生えたドライバーが、気持ちよく、大きく飛ばせる理由

【VOL.3】〝翼〟とレディスゴルファーに寄り添う設計が、大きな飛びと快感をもたらす

佐藤 弘樹(さとう・ひろき)
ゴルフビジネス部 ゴルフクラブビジネスグループ  2008年入社。海外物流やゴルフグローブなどの販売企画などを経て、2018年よりゼクシオのゴルフクラブの商品企画を担当。

水谷 成宏(みずたに・なるひろ)
商品開発部 クラブ技術グループ  2009年入社。以来、一貫してドライバーのヘッド開発に従事。最初に担当したのは7代目ゼクシオで、途中、スリクソンを挟み、10代目より再びゼクシオを担当。

岡部 敏子(おかべ・さとこ)
商品開発部 デザイン企画グループ  2005年入社。ゴルフボールの材料研究を経て、ゼクシオの10代目よりクラブデザイン関連全般を担当。

 アベレージゴルファーの多くが、力むことで起こるダウインスイング前半のヘッドのトゥダウンやフェースの開き。そうしたインパクトを乱す複雑な動きを、「ActivWing(アクティブウイング)』(以下、AW)という〝翼〟が、空気の流れを受け止め、コントロールすることで、フェースを安定させ、インパクトを適正化する――。
 NEWゼクシオ・シリーズのドライバーで生み出された、ヘッド自体が自らの姿勢の乱れを正すという革新的なテクノロジーは、フェアウェイウッドとハイブリッドにも搭載されている。
「フェアウェイウッドとハイブリッドの基本設計は、『ゼクシオ エックス』(以下、エックス)も『ゼクシオ 12(トゥウェルブ)』(以下、12)も同じです。とはいえ、どちらもドライバーとはヘッドの大きさが違いますし、いわゆる直打ちすることを含めクラブとしての特性も異なるので、サイズも含めてAWの形状を変えています」(商品企画担当・佐藤 弘樹)
 エックスのフェアウェイウッドを構えた時、目を引くのがシルバーとブラックのツートーンのクラウン。V字状に盛り上がったシルバーの部分のうち、右側のネック寄りにあるのがAWである。
「ダウンスイング中の空力をコントロールして、インパクトを適正化するという役割はドライバーと同じです」(佐藤)
 一方、V字の左側(フェース側)は「ステップクラウン」だ。
「ステップクラウンは、これまでハイブリッドでは採用していましたが、今回、ゼクシオ・シリーズのフェアウッドとして初めて採用しました」(商品開発担当・水谷 成宏)
 クラウンのフェース寄りの部分を1段高くすることにより、低重心を維持したまま、反発性能を高めることができるという。
 そして、ドライバーと同様、フェアウェイウッドとハイブリッドにも、ヘッドの反発を高めることで大きな飛びを生み出す「リバウンドフレーム」(以下、RF)を搭載。フェースからソールにかけて「軟・剛・軟・剛」と剛性の異なる4つの層を組み合わせることでフェースとボディを大きくたわませ、高いボール初速を可能にする。
 また、フェアウェイウッドとハイブリッドは、直打ちをするクラブであるため、重心を低くしてボールを上がりやすくし、なおかつ、よりフェース下部での反発性能を向上させることが重要になる。それを実現するために搭載されたのが、ヘッド内部でソールからせり上がるように設けられた「キヤノンソール」だ。
「ソールの肉厚部分を大砲型に設計することで、薄肉部分を広くできるのがキヤノンソールの効果なのですが、新しいエックスと12では、キヤノンソールをフェースから後方に遠ざけることで、ソールの軟らかい部分を増やしました。それにより、ドライバーにくらべヘッドの小さいフェアウェイウッドやハイブリッドでも、RFの効果を最大に発揮できるようにしています」(水谷)
 同じRF構造であっても、フェアウェイウッド、ハイブリッドの特性を考えた上で工夫を凝らし、エックスと12のターゲットであるアベレージゴルファーにとっての打ちやすさを追求している。

 クラブヘッドのボディとフェースをたわませることでパワーを蓄え、反発力のアップ、ひいては大きな飛距離につなげるリバウンドフレーム(RF)。この構造は、新しいエックスと12のアイアンでも採用された。
「ドライバーでは、剛性の異なる4つの層を組み合わせましたが、アイアンでは、軟らかい部分と硬い部分のコントラストで飛ばそうと考えました。いわばアイアン版RFです。そのために、まずはフェースそのものをたわみやすくし、次に、アイアンは地面にあるボールを打つことを考え、フェースやボディ下部でもしっかり軟らかさを出す。そして、それを受け止めるボディ後方の硬い部分とのコントラストをはっきりつけることでたわみを大きくする、というのが、エックスと12のアイアンに共通するテーマでした」(佐藤)
 そのテーマ実現のために、それぞれのモデルでどんなことをしたのか。まずはエックスから見てみたい。
「鍛造製法のフェース素材に、高強度のDHA™1(※1)という特殊鋼を新たに採用しました。強度が高いため、その分薄くすることができ、それにより反発を上げることができました」(水谷)
 フェース形状もバージョンアップした。下部に「スピードグルーブ」という溝を設けることで、その部分の剛性を下げ、フェースのたわみを増幅させることに成功したのだ。
 また、エックスが、体力がありヘッドスピードも速いゴルファーをターゲットにしていることに加え、初代モデルに対するユーザーからの声を受け、〝顔〟についても変更を加えた。
「そもそもゼクシオのアイアンは、とてもやさしいのが特徴ですが、エックスに関しては、構えた時には、すっきり、シャープに見せたいという意図がありました。そのため、トップブレードはヒール側を少しだけ下げて、シルエットをより直線的にしています」(佐藤)
「初代エックスは、どちらかというと、ボールを包み込むような、丸みがかった形状にしていたのを、新しいエックスでは少しシャープにしました。やさしすぎず、かといって難しさも感じさせない、両者の中間ぐらいのイメージです」(水谷)
 それに加え、エックスでは、トゥ側にタングステンのウエイトを新たに搭載。トゥに重量物を入れることで左右の慣性モーメントが上がり、ショットの左右へのブレを防いでくれる。

 ボディ、フェース、タングステンニッケルウエイトという3ピース構造のエックスに対し、12のアイアンは、二分割のボディにフェース、タングステンニッケルウエイトという4つのパーツから成っている。
 軟と剛を組み合わせて、フェース下部でヒットした時の反発を高めるというRFの考え方を採用したのはエックスと同じ。だが、構造と素材が異なるため、それを実現するには困難が伴ったという。
「前作の11(イレブン)では、ボディ下部に深さの違う2本の溝を入れることで、ソールのたわみを大きくしていました。それに対し、今作では溝をL字型のスリット(切れ込み)に進化させることで、ボディ下部の変形は前作より大きくなり、反発を高めることに成功しました。その際に、フェースはチタン素材で、ステンレス製のボディとは溶接できないため、異素材同士のボディとフェースを接合するにあたっては、アイアン担当の相当な苦労があったのですが(笑)」(水谷)
 2つのNEWアイアンは、デザインでも違いが鮮明になっている。
 エックスのバックフェースを見ると、グリーンのV字とXの力強いロゴが目を引く。
「グリーンのV字は、ウッド、ハイブリッドのソールと共通のデザインです。それにプラスして、若々しさ、躍動感を表現するために、バッヂ全体を立体的にしているのも新しいエックスの特徴です」(デザイン担当・岡部 敏子)
 一方、ゼクシオ伝統の紺を基調にした12のバックフェースのバッヂはやや小さく見えるデザインにした。その理由について、岡部はこう話す。
「フェース肉厚の薄さをデザインでも表現するために、バッヂの周辺をキャビティの色と同化させることで、バッヂのない部分を広く見せました。その結果、エックスと12とでは、まったく異なるデザインになっています」
 そしてアイアンの純正シャフトだが、ウッドと同じコンセプトのカーボンに加え、スチールは、よりユーザーを意識した設定となっている。
 初代モデルでスチール派が半数を上回ったというエックスは、市場で人気の高い「N.S.PRO 950GH neo」にダンロップの独自技術「DST(※2)」を加えた『N.S.PRO 950GH neo DST』を採用した。
「N.S.PRO 950GH neoは、飛び系アイアンと呼ばれるモデルにマッチすると言われ、ロフトが立っていてもボールが上がりやすい設計のシャフトです。それを、DSTによってやや手元重心化して、振りやすさを向上させました」(佐藤)
 また、12の軽量スチールシャフトにも変更が加えられた。
「ゼクシオでは、スチールシャフトも、これまでずっと軽量化を図ってきました。12に装着される新開発の『N.S. PRO 850GH DST for XXIO』も、カーボンシャフトのコンセプトと同じで、軽量化としなりで、楽に、気持ちよく振れるシャフトになっています」(水谷)
〝思うがままに振りたい〟ゴルファーと、〝楽に振り切りたい“と感じているゴルファー。それぞれのターゲットに向けて作られたエックスと12のアイアンもまた、〝振りぬける安心感〟という新しいゼクシオのコンセプトを具現化している。

(※1)DHAは大同特殊鋼株式会社の登録商標または商標です。
(※2)DST:デュアルスピードテクノロジー。ヘッドスピードとボールスピードという2つのスピードをアップさせることで、ゴルファーのパワーを最大限に引き出すダンロップの独自技術。


◇『ゼクシオ エックス』フェアウェイウッドの製品情報はこちらをご覧ください。
https://sports.dunlop.co.jp/golf/xxio/xxio2022/eks/fairwaywoods/
◇『ゼクシオ エックス』ハイブリッドの製品情報はこちらをご覧ください。
https://sports.dunlop.co.jp/golf/xxio/xxio2022/eks/hybrids/

◇『ゼクシオ 12』フェアウェイウッドの製品情報はこちらをご覧ください。
https://sports.dunlop.co.jp/golf/xxio/xxio2022/12/fairwaywoods/
◇『ゼクシオ 12』ハイブリッドの製品情報はこちらをご覧ください。
https://sports.dunlop.co.jp/golf/xxio/xxio2022/12/hybrids/

◇『ゼクシオ エックス』アイアンの製品情報はこちらをご覧ください。
https://sports.dunlop.co.jp/golf/xxio/xxio2022/eks/iron/
◇『ゼクシオ 12 』アイアンの製品情報はこちらをご覧ください。
https://sports.dunlop.co.jp/golf/xxio/xxio2022/12/iron/

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