ダンロップでは、主催トーナメントであるDPTの会場内で、契約プロを対象にした計測テストを毎年実施。弾道測定器「トラックマン」などを使ってボール初速や打ち出し角などのデータを収集するとともに、プロたちの意見をクラブやボールなどの商品開発に活用しています。そのテスターとして、スイングの再現性が高い稲森 佑貴プロは最高と言えるでしょう。
ただ、今季のここまでの自身のプレーについて尋ねると、
「今年はいろいろと悩んだシーズンですね。賞金ランキング自体(※13位)は意外と悪くないのですが、いい感じでプレーできたなというのは『日本プロゴルフ選手権』(※2位タイ)ぐらいで、あとの試合はしっくりこないというか……」
と、苦笑いを浮かべます。
今年プロデビューを果たした岡田 晃平プロ。DPTの出場も今年が初めてとなります。今回の練習ラウンドで、生まれて初めてプレーしたというフェニックスCCの印象を尋ねると、
「何度もプレーしているお隣のトム・ワトソンGCと似た感じですね。僕はけっこうトム・ワトソンGCは得意なので、フェニックスとも相性がいいかなと思います」
と頼もしい答えが返ってきました。多くのプロがプレッシャーを感じると話す両サイドの松林についても、
「逆に僕はセパレートされている方が好きなんです。狙いどころがはっきり分かるし、行ってはダメなほうも分かりやすいので、ティショットはどちらかというと気持ちよく打てるホールが多いですね」
とコメント。それは、現在愛用している『スリクソン ZXi LS ドライバー』とも関係があるようで、
「9月中旬から、スリクソン ZXi シリーズのドライバーをいろいろ試してきたのですが、先週の『三井住友VISA太平洋マスターズ』で、このLSに決めました。他のヘッドは少ししスピン量が多かったこともあって、スピンの少ないLSを使ってみたのですが、構えた時の〝顔〟もストレートな感じで気に入っています。ヘッドのサイズも大きすぎず、小さすぎずで、一般のアマチュアの方が打つのにもちょうどいいサイズなのかなと思います」。
今季は前半戦に2度トップ10入りを果たしたものの、その後は腰痛に苦しみ、思うようなプレーができなかったという岡田プロ。今も腰をケアしながらのプレーではあるものの、「(17位タイに入った)先週はかなりショットの手応えがよかったです。今日(月曜日)の練習ラウンドもすごく感触がよかったので、調子は上向きになってきていると思います」
と明るい表情で話します。その練習ラウンドは、中学・高校・大学の先輩である松山 英樹プロと一緒にプレー。アプローチについて、いくつかアドバイスをもらったそうで、
「何を教えてもらったかは、企業秘密なので言えないんですけど(笑)、だいぶ参考になりました。松山さんは、こちらから聞かなくても教えてくれるので、本当に後輩思いの方です」
今年のDPTに出場するただ一人のアマチュアが、ダンロップのモニターでもある松山 茉生(まお)さん(福井工業大学附属福井高等学校1年)。松山さんは、今年6月の「日本アマチュアゴルフ選手権」で、史上最年少の15歳344日で初優勝。さらに、8月下旬に行われたABEMAツアー(国内男子下部ツアー)「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジinふくしま」で、優勝争いの末に見事ローアマチュアに輝いたことで、DPTへの切符を手にしました。
フェニックスCCでのプレーは初めてということで、月曜日から精力的に練習ラウンド。ホールアウト後には、ドライビングレンジで松山 英樹プロと〝再会〟を果たしたそうです。松山さんが中学2年の時、松山プロが開催したジュニアレッスン会に参加したのが出会いで、松山プロはその時のことをしっかり覚えてくれていたのだとか。さらに、松山プロからはこんな話も。
「今年の日本オープンの予選ラウンドで、僕はアダム・スコットさんと同じ組でプレーしたのですが、大会後にスコットさんが松山さんと食事をした時に、僕について、『彼はいいプレーヤーだ』と話していたと。僕は知らなかったので、驚きましたけど(笑)」。
と、その攻略法を明かしてくれました。
松山さんは、今年9月に地元・名古屋で開催された「バンテリン東海クラシック」でレギュラーツアー初参戦を果たし、見事ベストアマを獲得。ただ、その後、「日本オープン」と、先週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」では予選を通過できず、「安定性とマネジメント力、それにパターの決定力。すべてにおいて、プロと自分とでは大きな差があります」と感じたそうです。