2020/08/07

コラム

ゴルフクラブの正しいグリップ(握り方)とは?

グリップはクラブと体を繋ぐ唯一の接点です。
グリップは握り方一つでスイングの良し悪しや球筋にも大きく影響します。
それほど重要なグリップですが、意外と注視されていません。

例えば、「長年、スライスに悩んでいます」と言う方のグリップを見たとき、「私はスライスを打ちます!」と宣言しているような握り方をされているのをよく目にします。これではスライスが改善しなくて当然です。

グリップ一つで打ちたい球筋が打ち易くなる事も、打ちたくない球筋が出てしまう事もあります。グリップが安定して握れる様になる事は簡単な事ではありませんが、ショットの安定には不可欠要素であり、正しいグリップをマスターすることはスコアアップの近道なのです。

まずは、どのような握り方があるか、ご紹介します。大きく分けて次の3つがあります。

オーバーラッピンググリップ

最もポピュラーな握り方と言われているのがこのオーバーラッピンググリップです。左手の人差し指と中指の間に右手の小指を乗せる方法で、両手でクラブを包み込むような握り方です。右手の感覚をより強く出せるのがオーバーラッピンググリップの特徴です。

インターロッキンググリップ

インターロッキンググリップは、左手の人指し指と中指の間に右手の小指を絡める握り方です。オーバーラッピンググリップよりも両手の一体感が強く、方向性に優れている握り方とされています。また、手が小さい人や女性にもおすすめの握り方です。

テンフィンガーグリップ

テンフィンガーグリップは、別名ベースボールグリップとも言われます。その名の通り、左右の指を絡める事無く、10本全ての指でグリップします。この握り方は、両手でしっかりと握れて手首の動きを使いやすいので、非力な方に向いています。

どのグリップが握りやすいか合っているかは、それぞれのグリップを試してみて判断しましょう。一般的に握力が弱い人、女性にはインターロッキンググリップやテンフィンガーグリップが合っていると言われますが、最近の傾向としては個々の力量に関係なく、インターロッキンググリップが流行っています。

【参考】:ストロンググリップ、ウィークグリップ
グリップの種類として3種類を記載しましたが、さらにそれそれのグリップでストロンググリップ、ウィークグリップの2種類があります。
ストロンググリップは非力な方でも力を入れやすいグリップで、ウィークグリップは非力な方には向かないグリップです。
それ以外にも、最近のクラブがヘッドの大型化やシャフトの長尺化によって、スイング中のフェースローテーションが行い難い特徴もある事から、グリップの傾向としてはスイング中にフェースローテーションを使用しなくてもスイング可能なストロンググリップが主流となってきました。

クラブの握り方を学ぼうとしたとき、どうしても「手」に意識がいってしまいますが、握る前に注意すべき点があります。握る前に意識してほしい2つのポイントを紹介します。

ゴルフクラブを握り始める際、一生懸命手元を見て正しいグリップを作ろうと頑張っても、クラブフェースの向きが間違っていては正しいグリップとは言えません。
クラブを握り始める前に、まずクラブフェースの向きを確認しましょう。

◆正しいクラブフェースの向き
ボールにセットしてグリップを作る時であれば、リーディングエッジ(写真のピンク色の線)がターゲットライン(狙っている方向)と直角になる様にクラブフェースの向きを調節します。
クラブをボールにセットせず体を起こした状態でグリップを握り始めるのであれば、地面に対してリーディングエッジが直角になる様にセットして握り始めましょう。

意外と見落としがちなのが、グリップする時の姿勢です。まっすぐに良い姿勢で立ち、良いアドレスの姿勢にいつでも入れるようにします。

加えて、特に両肩の状態を意識しましょう。

初心者の方はグリップを握る事に意識が先走り過ぎてしまい、つい力んでしまい両肩が上がってしまうことが多いです。
また経験者でも、正しく脱力することができずアドレス時に力み過ぎて肩が上がり、腕が短い状態のままスイングしてしまう方がいらっしゃいます。

肩が上がり両腕が短くなると、正しいグリップができなくなるだけでなく、アドレス時にハンドアップになり過ぎて手首の動きが硬くなり、スイング中の腕の振りやコックの動きにも悪影響を及ぼします。

◆つい肩が上がってしまうことへの対策
グリップを作る前に、一旦良い姿勢をとりましょう。そこからアドレス時と同じ様に軽く前傾姿勢を作り、腕を「だら~ん」と下げた所で左手グリップを作るように心掛けて下さい。肩が上がってリップしていた人は、今までよりもグリップが体から遠く感じ、特に左腕が長く感じる事に驚くと思います。

それでは、グリップを作る前の準備ができたら、実際にグリップしていきます。

クラブフェースの向きを整え、肩がリラックスして下がっている、脱力した状態で、右手でクラブを持ちましょう。

右手でグリップ(クラブヘッドと逆側にあるゴムの部分)の根本よりを持って左手を握り始めます。
左手はグリップエンド(体に近いグリップの先端)から、指2本分くらい余らせて握るようにしましょう。あまり長く握り始めると、安定したグリップが出来なくなります。

左手からグリップを握り始めるのですが、左手はグリップ(ゴム部分)の左斜め上から握るようにして下さい。

左斜め上から握ると、自分の目から見て左手の「中指のこぶし」が見える様になります。人差し指だけしか見えない、薬指まで見えている様であれば、握る位置を修正して調節して下さい。左手の親指はグリップの真上から右側面に来るようにセットします。

左手が握れたら、左手1本でクラブを握り、クラブヘッドを地面近くまで降ろします。
その状態からクラブヘッドを軽く上下させましょう。上下させる時に左手小指、薬指、中指側にも引き締まる感じで自然に力が入ります。

左手が握れたら右手を握ります。
「グリップの種類」で説明した右手の小指の絡め方によって、それぞれの特徴があります。右手の薬指、中指はしっかり握ろうとすると深く握りたくなるのですが、浅く握るように注意して下さい。
浅くとは、第一関節と第二関節がグリップ(ゴム部分)の下側に来るように握る形です。右手グリップを深く握り過ぎると、手首が硬く固まってしまい、クラブヘッドを走らせる事が出来なくなります。

例として、野球のボールを投げる時を思い出して下さい。
人差し指、中指、親指でボールを握る時に指先で軽く握りますよね。

深く、力を入れて握ってしまうと、ボールをリリースする時に手首を柔らかく使う事が出来なくなります。速い球や遠くまでボールを投げる事が出来なくなる事と同じ様に、ゴルフクラブもヘッドを走らせられず、ボールを飛ばす事が出来なくなります。

右手の薬指、中指が握れたら、次は人差し指です。人差し指はピストルの引き金を引くような形を作り、親指は人差し指に軽く触れる程度に、グリップの左側へ外します。

これでグリップの形の完成です!

グリップを握る時の力加減ですが、出来るだけソフトに持つようにしましょう。クラブを手首で軽く上下にゆすったときに自然に指が引き締まるような感覚が望ましいです。力を入れて握らないようにすることが大切です。

ゴルフを始めて間もない人は特に力みやすく、両手共に力が入りやすい傾向があります。
強く握った方が安心感はあるのかもしれませんが、力が入るゆえにクラブを必要以上に動かしてしまい、安定したショットに結び付かなくなる傾向があります。

グリップに働く力はスイングの大きさやスピードに応じて変化します。大きなスイングでは、手首がコックされて遠心力が働きます。遠心力は小指、薬指、中指側で、前腕の前側(親指側)よりも内側(小指側)に作用するよう意識しましょう。

左右の力加減は右手が強くなる傾向があります。
利き手である右手の方が力も入れやすいし安心感も得られるのでしょうが、2本の手で1本のクラブをコントロールするゴルフでは、左右の手がそれぞれ勝手なことをせずに「同調」する事が非常に重要です。

腕の長さを揃える⁈一体何の事?元々の長さは一緒だよ!と思われるかもしれませんが、意外とこの「腕の長さが揃っていない」がためにミスしてしまっている人が多いです。

実は、ゴルフスイングでは左腕がクラブを振る時の円の大きさを作ります。

紐の先に5円玉を括り付けて紐を指先でもってビュンビュン回したときをイメージしてみてください。遠心力で円が描かれると思うのですが、その時の「紐」の役目が左腕です。
もし、この紐の長さが変わったり、紐が緩んでしまったりしては安定した円を描けません。

ゴルフスイングでも同様に左腕が曲がってしまっていると、クラブの通り道が不安定となりミスショットに繋がります。

では、なぜ左腕が曲がってしまうのでしょうか。

ゴルフのグリップは、左右同じ場所を握りません。右手は体から遠い場所、左手は体から近い場所を握っています。ボールに構えた時、利き手である右手が力んで右腕が真っすぐになってしまうと、左腕(左肘)を伸ばすことができません。結果、左腕が曲がってしまう人が実は非常に多いのです。

左腕が曲がりながらスイングしている状態では5円玉を括り付けた紐が緩んでいる状態を同じで、クラブをコントロールする事が難しくなります。

「バックスイングを手だけで動かしてしまう」「トップでクラブをしっかりと支えられず右手で担いでしまう」「スイングアークが小さく、飛距離が出ない」「肘が引けてスライスが良く出る」等など、様々なエラーの原因となります。

腕の長さを揃える為には、グリップの位置や特に右手の余分な力みを取って左右バランス良くグリップできるように調節する必要があります。

ボールポジションやアドレス時の体重配分などの関係もありますが、ドライバーならばスタンス幅を少し広めにとってアドレスし、短いクラブに移っていくにつれて、右足を左足に寄せるイメージでスタンス幅を狭くしてアドレスしましょう。

実は、短く握ることは、アマチュアの方にメリットが多いです。

短く握ると、「飛距離が落ちる」等のデメリットがあると思う方も多いと思います。確かに短く握る事によって飛距離は落ちますが、常に確実にボールを捕らえる事が出来るプロや上級者に限っての話です。
アマチュアの方の多くは短く握る事により、振りやすくなって逆にミート率が上がり、結果、距離が延びるケースがあります。
他にもライが悪いケースや、つま先上がり、緊張する朝一のティーショット等、短く握る事により打ちやすくなるというメリットが数多くあります。

伸び悩んでいる方は、1度、短く握ってスイングしてみてはいかがでしょうか?

パターの握り方には基本が無いと言われる程、様々な種類があります。ショットとはまた少し違う、パターのグリップについてお伝えします。

パターのグリップには、様々な種類があり、殆どの人がショット時と同じ握り方をしていません。
 〈パターグリップの例〉
 ・逆オーバーラッピンググリップ
 ・クロスハンドグリップ
 ・クローグリップ

これらは、より安定してパッティングしカップインの確立を上げるために編み出されてきました。

一般的には「逆オーバーラッピンググリップ」が最もポピュラーな握り方として知られています。
通常のオーバーラッピンググリップは右手小指を左手に掛けますが、逆オーバーラッピンググリップの場合は左手人差し指を右手に掛けます。

安定してパッティングする上で大切なのが、振り子の動きに近付ける事です。このため、通常のショットとは違い、複雑な動きが出来ない握り方=手首の動きが制限される握り方がベストと言えます。

具体的には、ショット時よりも手に対して縦に握ります。手首が余分な動きをし過ぎないように、両肘からパターシャフトまで外見的に一直線に見えるようにしましょう。パターを吊っているような感覚で構えることもポイントです。

グリップは「クラブと体の唯一の接点」であり、グリップの握り方次第でスイング中の動きや球筋に影響を及ぼします。
正しいグリップによってクラブの操り方の基本を習得する事が、勘違いに気付き悩みを解消することにつながります。トッププロでも知らず知らずの間に、グリップの握り方や力加減変わっていたりする事があるので、常にチェックしています。

テレビを見ながらクラブを握っているだけでも、手の感覚を養うのに有効です。自宅でも気軽に出来る基本練習ですから、皆さんも今一度、ご自分のグリップを見つめなおしてはいかがでしょうか。