2020/08/14

コラム

コックを極めればショットが劇的に変わる!これであなたもコックマスター

ダンロップゴルフスクールのスイング理論では、親指方向に手首を折る動きを手首の撓屈(とうくつ)と呼んでいます。厳密には、1)手首の回内(内回し)と、2)背屈(手の甲側に折る動き)が同時に作用し、コックとなります。

コックは、腕に関わる身体の様々な部位(指の一本一本や肘、鎖骨、肩甲骨まで)が関係してくるため、さらに身体全体の事も考慮して、身につけていきましょう。

撓屈(とうくつ)  : 親指方向に手首を折る動き
手首の回内(かいない): 手首を内側に回す動き
背屈(はいくつ)  : 手の甲側に折る動き

右利きの場合、右手の甲側に手首を折ることを「ヒンジ」ということがあります。
もともとはドアの蝶番(ちょうつがい)のような手首の動きからそのように使われているようです。

①右手に力が入ってしまうケース

肩、腕を含めた正しいアドレスの姿勢やグリップがきちんと作れていない状態で、さらに右手に力が入ってしまうと、写真のようにうまくコックができなくなります。
正しいコックが使えないと、間違ったスイングプレーンやクラブフェースの向きに繋がります。

②左手首が甲側に折れてしまうケース

テイクバックで右手の力が強すぎて、左手首が甲側に折れてしまうケースもあります。トップの位置で鏡などで自分の姿を確認してみましょう。

 

皆さんは“かなづち”で釘を打った事はありますか?
自然と手首を柔らかくしなやかに使っていると思います。これがコックを使えている状態です。

逆にもし、手首を固定して釘を打つとどうなるでしょうか?
肘から先を上下に動かしてロボットの様な動きになり、かなづちをうまく使えず十分なパワーが出せないことでしょう。

釘をうまく打つためには、「テコの原理」が必要です。手首を支点にしてかなづちを使えれば、スピードが増幅され強く釘を打つ事ができます。

ゴルフも同様です。コックをうまく使うことで、同じようなメカニズムがゴルフスイングの中でも起こり、ヘッドにパワーを十分に伝達でき、飛距離アップに繋がります。

特にアウトサイドイン軌道のスライスに悩むゴルファーがかなづちの使い方のようにクラブを操れるようになると、大きく改善がみられる場合があります。
かなづちを使うときのイメージをすることで、腕がしなやかになり、コックが正しくなってきます。クラブヘッドが身体の近くを通るように感じ、より正しいインパクトになってきてロスも減りボールの飛び方はよりまっすぐに安定してきます。

良いコックは、飛距離アップに繋がります。
正しいタイミング:インパクト直前からコックが解放(リリース)されることで、ヘッドが走ります。インパクト時のヘッドスピードが上がるので、飛距離を出すことができます。また、自然にハンドファーストのインパクトが出来る様になり、クラブの適正ロフトでインパクトできるのでボール初速、つまりミート率が上がります。

・軽く振っている様に見えても、力を逃がさずにヘッドスピードに変換して十分な飛距離が出せる人。
・軸のある良い姿勢でスイングできて、身体の左右のバランスも良く、手先で打とうとせずになめらかなスイングの人。
・ダウンスイング、フォロースルーで正しいスイング軌道でスイングできる人。

 

・力みが目立ち、姿勢や身体の使い方に対する意識やイメージが足りない人。
・手先でスイングするのでリズム・テンポ・タイミングがバラバラになりやすい人
・手打ちになるとアウトサイドイン軌道でクラブフェースも開きやすい人。
・インパクトで左肘が引けてしまうことも

■アドレス時

すべての指を正しく使ってグリップし、クラブを吊り下げ、ヘッドの重さを支えましょう。

■テイクバック(スイング始動)

外見的には、両手首の角度はキープされたまま始動し、シャフトが地面と平行になったあたりから手首のコックが強くなっていきます。

■切り返し・タメ

切り返しは手先でクラブを戻そうとはせず、身体の動作によって腕も振られてきます。切り返しの直後の瞬間にコックの度合いが最も強くなります。

■ダウンスイング

インパクト直前で、身体(土台)がしっかりとしていることで、腕の振りや手首に作用しコックが解放(リリース)されます。

■インパクト

見ためには、手首はアドレス時の形に近くなりますが、自然とハンドファーストの状態になります。

■フォロースルー・フィニッシュ

腕や手首が余分な操作をしなければ、フォロースルーで手首は自然にコックの状態が再現されていきます。

 

こぶし1個分ほどあけて、グリップします。左右のグリップの向きや握る強さは普段通りです。

その状態でスイングしていきます。
この時、両手が離れているので、手首が折れる感覚=コックが入りやすくなります。
一方、腕だけでバックスイングしてしまいやすくなっているので、両手が一体となった感覚を忘れないようにしましょう。

フォロースルーでも同様に、手首が折れてきます。
このように、スイング中の手首の流れ:バックスイングでのコック→ダウンスイングからインパクトにかけての解放(リリース)→そしてフォローするでのリコックの感覚がつかめるドリルです。

■アーリーコックとは

スイング始動後、いつもより早めもタイミングでコックを入れてスイングすることを、アーリーコックといいます。

【メリット】
・スイング軸がブレにくくなる。
・ボールを打ち出す方向性が良くなる。
・クラブを鋭角に降ろす必要がある状況で有効。
 例)バンカーの目玉、ディボット跡や打出し角の低い弾道で打ちたい時
  バックスイングやインパクトで芝や傾斜が邪魔でクラブが引っかかる時

【デメリット】
腕や手先でコックすると、手打ちになりやすい。
(余分な力みにつながり、身体の体幹や土台の動作が機能せず、手打ちに繋がってしまう)

■レイトコックとは

スイング始動後、いつもより意図的にコックを遅らせてスイングすることをレイトコックといいます。

【メリット】
 スイング始動時に、体幹や土台の反応や身体の使い方が強いと、クラブが低く長く動くイメージを持ち易く、スイングアークが大きくなる。結果、身体の回転も大きく使え、飛距離アップが望める。

【デメリット】
・スイング軸がずれやすくなる。
・バランスを崩しやすく傾斜地などでは不向き。
・ボールを打ち出す方向性が悪くなる。
・腕や手首を固定する意識を持つと、力みや固さが生じて身体を使ったスムーズなスイングができなくなる。
・十分なコックが使えずに方向性、飛距離ともダウンにつながる。

手首を使い過ぎるとショットは不安定になりますが、正しい身体の使い方、正しい腕の使い方から引き出される正しいコックは、効率良くボールを飛ばす為には必要不可欠な動きです。
ご紹介したスプリットハンドドリルなどを使って練習し、ぜひマスターしていきましょう。

 

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