2021/09/16

コラム

"Tennis's コラム「D・style」"~第5回「テニスラケットの正しいグリップ(握り方)とは」~

グリップはラケットと体を繋ぐ唯一の接点です。
飛んでくるボールを打ち返すことが多いテニスでは、グリップの握り方により打点や力の入り具合が変わり、スイングにも大きく影響します。特に初心者の方は最初からグリップで悩まれる方も多いと思います。

そんな重要なグリップが、プレースタイルによる打ちたい球質を求める手助けをしてくれることも。
例えば「トップスピンが上手く打てない」と悩んでいる方も不向きなグリップだと打ちづらいことが多く、グリップ一つでイメージしたショットや球筋が劇的に打ち易くなると言っても過言ではありません。

正しいグリップを特性も併せて理解しマスターすることはショットが安定するだけでなく、スイングの改善やプレーの幅が拡がり、上達の近道となるでしょう

①コンチネンタルグリップ

“コンチネンタルグリップ”は、ラケットを地面に対し垂直に(真上から)持つ握り方です。ラケットのエッジ部分(フェース側面)を縦向きや横向きの方向に動かしやすい特徴があり、フォアハンド・バックハンドの握り替えを行わずにプレーをしやすいグリップです。ラケット面はやや上向きとなりやすく、スライス回転のボールを打つのに適しています。
サービス、スマッシュ、ボレーなどに多用されています。

②フォアハンド・イースタングリップ

“イースタングリップ”は、打球する面の裏側から握手するように持つ握り方です。
コンチネンタルグリップよりも手のひらで持つイメージが強く、方向性と体から離れたボールの返球に優れている握り方とされています。ラケット面はほぼ前向きでスイングも地面と平行に移動しやすいため回転の少ない(フラット)ショットを打つのに適しています。
フォアハンドストロークを中心に、フォアハンド側の面で打球するショット全般に多用されています。

③フォアハンド・セミウェスタングリップ

“セミウェスタングリップ”は、イースタングリップとウェスタングリップの中間で握手するように持つ握り方です。現在の主流としてフォアハンドストロークで多用されているグリップで、ある程度手のひらでしっかりと握れ、方向性にも優れており、非力な方にも向いています。ラケット面がやや下向きとなりやすくスイング軌道が下から上へと移動するためトップスピン(順回転)を打つのに適しています。

④ウェスタングリップ

“ウェスタングリップ”は、ラケットを地面に対し並行にした状態で、握手するように持つ握り方です。
この握り方は、高い打点で強打しやすい反面、体から遠いところで返球するには不向きなグリップです。
フォアハンドストローク、バックハンドストロークで多用されています。ラケット面が下向きになりやすいため、スイング軌道が下から上へと移動することからトップスピン(順回転)を打つのに適しています。

⑤バックハンド・イースタングリップ

“バックハンド・イースタングリップ“は、コンチネンタルグリップを反時計回りにずらし打球する面の裏側から支えて持つ握り方です。文字通りバックハンド側のショットで利用されています。ラケット面はほぼ前向きとなりスイングは地面と平行に移動するため回転の少ない(フラット)ショットを打つのに適しています。

【参考】両手打ちのグリップ

グリップの種類として5種類を記載しましたが、両手打ち(ダブルハンド)のグリップはハッキリと限定ぜずに、右手・左手双方が各種類のいずれかでグリップを持ちます。両手打ちグリップは特性上、自由度が高い握り方です。
例:「利き手をコンチネンタルグリップ、反利き手セミウェスタングリップ」や、「両手共にイースタングリップ」など。

試してみて自分にあったグリップを探そう!
どのグリップが握りやすく合っているかは、それぞれのグリップを試してみて判断しましょう。
一般的に握力が弱い人や女性にはセミウェスタングリップが合っていると言われていますが、 最近の傾向としては個々の力量に関係なく、同様にセミウェスタングリップが流行っています。

ポイント1 グリップ面と手のひら部位の位置


図で示している手のひらの部位「ヒール・ナックル」がラケットのグリップ面のどこに当てて握っているのかを意識するようにしてみましょう。

ポイント2.力の入りやすい腕の形を意識する


力の入りやすい腕の形を意識しながら、違和感なくグリップを握るようにしましょう。
「肩 → 肘 → 手首 → ラケット」を体で支えるイメージです。
また力み過ぎないために、グリップを握る際に指で持つようにしてみてください。

①コンチネンタルグリップ

手のひらのヒール部(青色)をグリップの①の面に乗せ、ナックル部(赤色)をグリップ②の面にあて、各指は関節ごとでグリップ面にあてて折り曲げ、中指と親指を結びます。
ヒール部位置が正しければ、力まずグリップを握ることで親指と人差し指の間でエッジ部分を縦方向に楽々と動かすことができます。グリップを持ち替える必要無く対応でき、ボレーやエッジ方向に動かすスライス系のショット、サービス・スマッシュで多用されています。また遠いボールに対してラケットを上向きの面で返球することに優れているグリップです。

②フォアハンド・イースタングリップ

手のひらヒール部(青色)をグリップ②の面に乗せ、ナックル部(赤色)をグリップ③の面にあて、各指は関節ごとでグリップ面にあてて折り曲げ、中指と親指を結びます。
このイースタングリップは手のひらで方向性を出しやすいうえ、遠いボールの返球にも対応しやすいため、一般的に多くの方に使用されています。
フォアハンドストロークをはじめ、フラット系やスピン系ショットにも対応でき、フォアハンド側での返球はコンチネンタルグリップ同様あらゆるショットに多用されています。

③フォアハンド・セミウェスタングリップ

手のひらヒール部(青色)をグリップ③の面に乗せ、ナックル部(赤色)をグリップ④の面にあて、各指は関節ごとでグリップ面にあてて折り曲げ、中指と親指を結びます。
このセミウェスタングリップはイースタングリップとウェスタングリップの中間にあたり、力・回転はやや弱まるものの、遠いボールへの対応が向上します。高い打点でのショットも対応でき特にトッププレーヤに限らずこのセミウェスタングリップが主流となっています。

④ウェスタングリップ

手のひらヒール部(青色)をグリップ④の面に乗せ、ナックル部(赤色)をグリップ⑤の面にあて、各指は関節ごとでグリップ面にあてて折り曲げ、中指と親指を結びます。
このウェスタングリップはストロークにおいて高い打点で強打がしやすく、打点が打球方向よりになるためトップスピンショットを容易に打つことができます。その反面遠いボールではラケット面を上向きにしにくいため返球する難易度が高くなります。
このウェスタングリップはバックハンドも持ち替えることなく対応でき、フォアハンドと同様のメリット・デメリットがあります。
フォアハンド・バックハンドのストロークにおけるトップスピンプレーヤーに多用されています。

⑤バックハンド・イースタングリップ

手のひらヒール部(青色)をグリップ⑧の面に乗せ、ナックル部(赤色)をグリップ①の面にあて、各指は関節ごとでグリップ面にあてて折り曲げます。また親指をグリップ⑦の面に斜めにあてがうことにより支えを作ることができます。
片手でバックハンドストロークをされるプレーヤーに多く使用され、フラット系やスピン系ショットにも対応でき、フォアハンド同様あらゆるショットに多用されています。

グリップを握る時は、出来るだけソフトに持つようにしましょう。少し指の間隔を開けて指で持つようにすると、打球時に自然に指が引き締まりボールに力を伝えやすくなります。力を入れて握らないようにすることが大切です。

Step.1で紹介した力が入りやすい腕の形でそれぞれのグリップを握ったときに、ラケット面が打球方向へ向く場所がそのグリップの基本的な打点となります。
手首を意図的に使用するとき以外はこの点を意識する必要がありますし、ラケット面が安定することで安心感も得ることができますので非常に重要です。

ラケット面だけを向けても支えがない打点では手首が安定しづらい

フォアハンドで腕の形を意識した腰の高さの打点

バックハンドで腕の形を意識した腰の高さの打点

【参考】手のひらヒール部を使わずグリップを握るメリット・デメリット

ラケットのグリップエンドから手のひらヒール部をはみ出すように持つ方法があります。
メリットは手首を固定せず優先的に使用しながら打球できる点です。特にストロークにおいて強いトップスピン(順回転)ショットを打つときや、グリップの特性を補うため上向きの面を作り返球したい場合には特に有効です。
逆にデメリットは手首を固定しにくくラケット面がふらつきやすくなるためショットが安定しづらくなります。そのため方向性や安定性が失われがちになります。

ウェスタングリップやセミウェスタングリップを使用される方に多く見られ効果は高いですが、非力な方には不向きかもしれません。

冒頭にグリップは「ラケットと体の唯一の接点」と記しました。
グリップの握り方次第で打点やスイング、打球そのものに影響を及ぼします。またテニスは多くのグリップを扱う必要があります。
正しいグリップを理解することにより、描いているプレースタイルと打ちたいショットが大きく進化することもあります。
またグリップの握り方によるラケットの操り方の基本を習得する事は、悩みを解消することにつながり、上達するのための近道になるのです。
皆さんも今一度、ご自分のグリップを見つめ直してみてはいかがでしょうか。

【補足】:グリップテープについて
ラケット本体グリップ部に上からよく巻かれているもので「グリップテープ」があります。
「グリップを少し太くしたい方や、よりフィット感を出したい、汗をかいて滑るのを防ぎたい」などの用途に合わせたグリップテープがあります。カラフルなものもありファッションにも最適!
このような内容でお困りの方は、ぜひお試しください。